

- ECAM35035Wでも純正ウォーターフィルターは使える(デロンギ公式FAQ)
- ただしフィルター設定メニューが無いので、除石灰のお知らせは従来と同じ頻度で出る。サイクルが20%延長されるのは設定メニューを持つECAM35055B
- 交換表示も出ないので、交換は「使用開始から2か月」「3週間以上使わなかったとき」を目安にカレンダーで管理する(公式FAQ)
- フィルターの有無にかかわらず、水硬度はチェッカーで測って「ミズコウドセッテイ」で合わせる(取扱説明書p.10)
ディナミカ(ECAM35035W)にウォーターフィルターは使える。ただし除石灰のお知らせは延びない
先に結論を整理します。ECAM35035Wでウォーターフィルターを使うこと自体は、メーカーが認めています。変わらないのは、液晶に「ジョセッカイ」が出るタイミングです。
取扱説明書にはウォーターフィルターの記載が1つもない
Emiさんが迷ったのは当然で、ECAM35035Wの取扱説明書(2019年6月版)にはウォーターフィルターが一度も出てきません。
- p.33の別売品は「抽出ユニット/抽出ユニット用グリース/コーヒーマシン用除石灰剤(2個入り)/ミルクジャグ/バリスタキット/水硬度チェッカー」の6点で、フィルターは入っていない
- p.20のプログラムモードのメニュー一覧にも、フィルターを登録する項目が無い
- p.10の水硬度設定、p.28の石灰の除去にも、フィルターへの言及が無い
この3点だけを見ると「非対応なのでは」と読みたくなります。ですが答えは取扱説明書の外、公式FAQにあります。
公式FAQの答え:使えるが「ウォーターフィルターの設定」メニューが無い
デロンギ公式FAQ「(ECAMシリーズ)ウォーターフィルターを使用できますか?」の回答は次のとおりです。
ECAM35055B以外のECAMシリーズでもウォーターフィルターを使用することができます。ただし、ECAM35055B以外のECAMシリーズには、プログラムモードに「ウォーターフィルターの設定」のメニューがないため、除石灰のお知らせは従来とおなじ頻度でのお知らせになります。
取扱説明書のメニュー一覧にフィルター設定が無いのは、非対応の証拠ではありませんでした。公式が「無いのが正常」と説明している状態です。別売品リストに載っていないのも、マシン側に登録する仕組みを持たない機種だから、と読めば筋が通ります。


除石灰サイクルが20%延長されるのはECAM35055B
別のFAQ「(ECAMシリーズ)ウォーターフィルターを取り付けなくても使用できますか?」では、フィルターを取り付けたとき・外したときにプログラムモードで設定を行うことが案内され、「ウォーターフィルターを使用した場合、除石灰作業を行なうサイクルは20%延長されます」と書かれています。
この「設定を行う」ためのメニューを持っているのが、同じディナミカでも上位機のECAM35055Bです。ECAM35035Wでは設定そのものができないので、20%延長の話は当てはまりません。
2機種の違いはフィルター設定だけではありません。ミルクの方式や価格差を含めて比べたい場合は、こちらにまとめています。
→ディナミカのECAM35035WとECAM35055Bの違いは?6万円差の判断基準
ECAM35035Wでウォーターフィルターを使うときに押さえる3つのこと
使えると分かったうえで、ECAM35035Wならではの注意点が3つあります。どれも「設定メニューが無い」ことから来ています。
1. 交換のお知らせは出ないので「2か月」をカレンダーで管理する
公式FAQ「ウォーターフィルターについて」が挙げる交換時期は次の3つです。
- ディスプレイまたはコントロールパネルに「フィルターコウカン」などの表示が出たとき(型式番号により表示の仕方は異なる)
- 使用開始から2か月経過したとき
- 本製品を3週間以上使用しなかったとき
1つ目の表示は、フィルターを登録できる機種の話です。ECAM35035Wの表示一覧(p.30)に、フィルター交換を知らせる表示はありません。つまりこの機種で使える目安は、残りの2つだけ。取り付けた日をスマホのカレンダーに入れて、2か月後に通知が来るようにしておくのが確実です。
同じFAQには、未開封なら使用期限は無いこと、湿気の少ない場所で保管して開封後はすぐ使うことも書かれています。まとめ買いしても、開封は1個ずつにしてください。
2. 取り付け方はフィルターに付属の説明に従う
公式FAQ「ウォーターフィルターについて」からは機種別の「ウォーターフィルターの取り付けかた」が案内されていますが、2026年9月に確認した時点で、その一覧にECAM35035Wは含まれていません。取扱説明書にも手順が無いため、この記事では取り付けの手順を書きません。
他の機種の手順は、水タンクの形や設定の操作が違うため、そのまま当てはめられません。フィルターに付属している説明を確認し、分からない点はお求めの販売店かデロンギのお客様サポートセンター(連絡先は取扱説明書p.34)に問い合わせてください。
通販で「デロンギ用 ウォーターフィルター」と検索すると、純正のDLSC002と並んで互換品が多数出てきます。メーカーが「ECAMシリーズで使用できる」と答えているのは純正のウォーターフィルターについてです。互換品を選ぶ場合、この回答は根拠になりません。迷ったら型番DLSC002を確認してから買いましょう。
純正のウォーターフィルターはこちらです。
3. 「ジョセッカイ」が出たら、フィルターを使っていても除石灰する
ECAM35035Wは、フィルターを入れていてもお知らせの頻度が変わりません。液晶に「ジョセッカイ」が出たら、取扱説明書p.28の手順で石灰の除去を行います。所要時間は45分程度で、途中で中断できません。
p.30の表示一覧では、あとで除去する場合は設定/ESCボタンで取り消せる一方、石灰を除去するまで除石灰のマークが表示され続けると説明されています。除石灰剤の入れ方と45分の全手順はこちらです。
→デロンギ ディナミカの除石灰のやり方!除石灰剤の入れ方と45分の全手順
手順どおりに進めたのに表示が消えない場合は、原因と対処を別の記事で整理しています。
→ディナミカの「ジョセッカイ」表示が消えない原因と45分の除石灰手順


ディナミカの水硬度設定:フィルターの有無に関係なく最初に合わせる(p.10)
取扱説明書p.10によると、ECAM35035Wには除石灰が必要になるとディスプレイで知らせる機能があり、水硬度を設定しておくと適切なタイミングで案内してくれます。お買い上げ時はレベル1です。デロンギ公式FAQ「(ECAM35035W)水硬度の設定」も、型番が一致した同じ内容を載せています。
付属の水硬度チェッカーでレベルを測る
- 付属の水硬度チェッカーを、コーヒーをいれる水に数秒間浸す
- 軽く振って、約1分間待つ
- ピンク色になった四角の数を確認する(色が変わらない場合はレベル1)
チェッカーは付属品に入っていて(p.33の付属品)、なくした場合は別売品として購入できます(p.33の別売品)。
「ミズコウドセッテイ」で水硬度レベルを変える手順
ボタンの名称は取扱説明書p.8「各部のなまえとはたらき」の表記に合わせています。
- 設定/ESCボタンを押して、プログラムモードにする
- ▼ボタンまたは▲ボタンで「イッパン」を選び、OKボタンで確定する
- ▼ボタンまたは▲ボタンで「ミズコウドセッテイ」を選び、OKボタンで確定する
- ▼ボタンまたは▲ボタンで水硬度レベルを選び、OKボタンで確定する
- 「メニューヲエラブ」が表示されるまで設定/ESCボタンを押し、プログラムモードを終了する
手順4の画面では、上の段に「ゲンザイ:レベル1」のように今の設定が、下の段に「ヘンコウゴ:レベル2」のように変更後のレベルが点滅で表示されます(p.10の表示例)。「ミズコウドセッテイ」は、プログラムモードの「イッパン」、つまりマシン全体の設定の中にある項目です(p.20)。
なお初めて使うときは、チェッカーで測ったあとに電源ボタン(p.6)を押すと、「ヨネツチュウ シバラクオマチクダサイ」「ナイブセンジョウ」と表示されて自動で内部洗浄が始まり、抽出口から熱湯が出ます。予熱が終わって「メニューヲエラブ」と表示されてから、上の手順に進んでください(p.10)。
レベルが高いほど除石灰のお知らせは多くなる
p.29の「石灰除去の頻度について」では、水硬度レベル1(軟水)は石灰除去の頻度が少なく、レベル4(硬水)は石灰分が付着しやすいため多くなると説明されています。硬度が高い水をレベル1のまま使うと、お知らせが実際の付着に追いつかない設定になってしまいます。
「フィルターで軟水になるなら、水硬度レベルを1つ下げればお知らせを減らせるのでは」と考える人がいるかもしれません。ですが、フィルター使用時に水硬度レベルを変えるよう案内している記載は、ECAM35035Wの取扱説明書にも型番の一致する公式FAQにもありません。p.10のとおり、チェッカーで測った結果に合わせておくのが確実です。お知らせを減らす目的で設定をずらすのはおすすめしません。
使う水は「水道水か硬度90mg/L以下の軟水」(p.12)
水そのものについては、p.12「材料と道具」に次のように書かれています。
- 水道水や、軟水(硬度90mg/L以下)のミネラルウォーターが適している
- 硬水を使うとカルキ分が詰まりやすくなる
- ミネラルウォーターや浄水器を通した水は、残留塩素の殺菌効果がないためカビなどが発生しやすい。各部の定期的なお手入れ(p.24)を必ず行う
さらにp.29では、抽出にミネラルウォーターや浄水器の水を使う場合、週に1度、水道水を使った内部洗浄を数回行うことをすすめています。水道水の残留塩素で洗浄効果が高まるから、という理由です。純正ウォーターフィルターが残留塩素をどこまで取り除くかは公式FAQに記載が無いため、ここでは断定しません。水道水以外の水を使うなら、お手入れを省かないことが大切です。
1日の終わりにやるお手入れの場所と手順は、こちらにまとめています。
→デロンギ ディナミカの掃除は5カ所だけ!1日の終わりにやるお手入れ手順


→デロンギ ディナミカ ECAM35035W 完全レビュー!6メニューと液晶の実力
これからディナミカを選ぶ段階で、マグニフィカSとの違いも気になる場合はこちらを参考にしてください。
→ディナミカとマグニフィカSの違いは3つ|6万円の価格差を回収できる人
まとめ:ディナミカの浄水フィルターは「使えるが除石灰のお知らせは延びない」で判断する
ECAM35035Wの取扱説明書にはウォーターフィルターの記載がありませんが、デロンギ公式FAQによると純正ウォーターフィルターは使用できます。ただしフィルター設定のメニューが無いため、除石灰のお知らせは従来と同じ頻度で出ます。除石灰サイクルが20%延長されるのは、設定メニューを持つECAM35055Bです。
使う場合は、交換表示が出ないので「使用開始から2か月」「3週間以上使わなかったとき」をカレンダーで管理し、「ジョセッカイ」が出たらいつもどおり除石灰をしてください。フィルターの有無にかかわらず、付属のチェッカーで水硬度を測り、「イッパン」→「ミズコウドセッテイ」でレベルを合わせておくことが、除石灰を適切なタイミングで行う一番の近道です。
