
いいえ。諦めなくていいです。むしろそこが、ディナミカを選んだ意味の出るところ。


- カフェ・ジャポーネの抽出量は初期180mL、約115〜250mLの範囲で変更できます。
- 変え方はプログラムモードの「メニューセッテイ」。抽出しながら、好きな量になったところでOKボタンを押すだけ。
- ただし120mL以下に設定すると、間欠抽出が2回から1回に減ります。ここを知らずに絞ると味が変わります。
- 元に戻したいときは「メニューリセット」で初期設定値に戻せます。
ディナミカのカフェ・ジャポーネは、なぜ量を変えられるのか
同じデロンギでも、カフェ・ジャポーネの抽出量を変えられる機種と変えられない機種があります。ここが混乱の元です。
マグニフィカSは固定、ディナミカは可変
取扱説明書の仕様表を並べると、違いがはっきりします。
| ディナミカ ECAM35035 | マグニフィカS ECAM22112 | |
|---|---|---|
| カフェ・ジャポーネの抽出量 | 約180mL(設定範囲 約115〜250mL) | 約120mL(設定不可) |
| 2杯抽出 | できません | 約240mL(設定不可) |
| 操作系 | 液晶ディスプレイ+タッチセンサー式ボタン | ボタンとつまみ |
数値はどちらも各機種の取扱説明書の仕様表からです。ディナミカ側はECAM35035取扱説明書p.33。
マグニフィカSを使っていた人が「カフェ・ジャポーネは量を変えられない」と覚えているのは、間違いではありません。その機種では、本当に変えられないのです。マグニフィカSの抽出量設定でどこまで変えられるかは、別記事で詳しく整理しています。
ディナミカで変えられる理由は、液晶ディスプレイがあるから。プログラムモードという設定画面を持っていて、その中に「メニューセッテイ(定量設定)」という項目が用意されています。ボタンとランプだけの機種には、そもそもこの画面が存在しません。
そもそもカフェ・ジャポーネとは何をしている機能か
抽出量の話に入る前に、1つだけ。カフェ・ジャポーネは、ただの薄いコーヒーではありません。
取扱説明書p.14にはこう書かれています。給湯と蒸らしを繰り返す間欠抽出を2回行う、と。ハンドドリップで湯を注いでは待ち、また注ぐ、あの動きを機械がやっているわけです。だから量だけの問題ではなく、抽出のプロセスそのものが他のメニューと違います。
この前提が、あとで出てくる「120mLの壁」の話につながります。カフェジャポーネが普通のコーヒーと何が違うのかは、こちらで詳しく解説しています。

カフェ・ジャポーネの抽出量を変える完全手順
取扱説明書p.15「定量設定するときは」に載っている手順です。ボタンの名前は説明書p.8の表記に合わせます。
使うボタンは4つだけ
| ボタン | 役割 |
|---|---|
| 設定/ESCボタン | プログラムモードへの切り替え。操作のキャンセル |
| ▼ボタン/▲ボタン | メニューを進める・戻る |
| OKボタン | 操作の確定 |
| 豆量調整ボタン | コーヒーの濃さ(豆の量)の調整 |
すべてタッチセンサー式です。押し込む感触はありませんので、反応しないときは指の当て方を変えてみてください。
手順は6ステップ
- 設定/ESCボタンを押して、プログラムモードにする。液晶に「セッテイ ナイブセンジョウ」と出ます。
- ▼または▲で「メニューセッテイ」を選び、OKボタンで確定する。
- ▼または▲で「カフェ・ジャポーネ」を選び、OKボタンで確定する。よく選ぶメニューが上位に表示される仕様なので、並び順は使ううちに変わります。
- ▼または▲でコーヒーの濃さを選び、OKボタンを押して抽出を始める。液晶には「マメリョウセッテイ」と出ます。
- 好みの量が出たところで、OKボタンを押す。液晶は「リョウセッテイ コーヒー」。ここが実際の設定操作です。
- 「セッテイシマスカ?」と表示されたら、OKボタンを押して完了。やめるときは▲または設定/ESCボタンを押します。
ポイントは5番。数値を入力するのではなく、実際に抽出しながらカップを見て、ちょうどいいところで止める方式です。目分量がそのまま設定値になる。慣れれば早いですが、最初はカップの目盛りか計量カップを横に置いておくと確実です。
説明書には「設定可能な量になるまでOKは表示されません」という注記があります。つまり115mLに達する前にOKを押そうとしても、そもそもボタンが出てきません。下限を割る設定は、機械の側で弾いてくれる仕組みです。
この設定ができるのは、ディナミカ ECAM35035Wの機能です
ここまでの手順は、液晶ディスプレイとプログラムモードを持つ機種でしか実行できません。買い替えを検討していてこの記事にたどり着いた人のために、対象機種を置いておきます。
ディナミカとマグニフィカSのどちらを選ぶかで迷っている段階なら、2機種の違いと6万円の価格差を回収できる条件をまとめた記事から読んでください。抽出量の可変は、その価格差を構成する要素の1つです。
抽出量だけでなく、6つのメニューやお手入れの手間まで含めて機種そのものを確認したいなら、ECAM35035Wの仕様と液晶表示、お手入れ3段階をまとめた完全レビューから先に読んでください。

豆量は別のボタンで決まる。ただし説明書に数字が2つある
鋭い指摘です。そして答えは「豆量は別に設定できる」。抽出量と豆量は独立しています。
濃さは豆量調整ボタンで5段階
豆量調整ボタンを押すたびに、EXマイルド、マイルド、スタンダード、ストロング、EXストロングと切り替わります。初期設定はEXマイルド。もう1つ「コーヒーパウダー」という選択肢もありますが、これは市販のコーヒー粉を使うときのモードなので、豆から挽くときは選ばないよう説明書p.14が注意しています。
量を250mLまで増やすなら、豆量も上げる。この2つをセットで動かすのが、味を保ったまま量を増やすやり方です。
カフェ・ジャポーネの豆量は、デロンギ公式が取扱説明書の数字を訂正しています
取扱説明書のp.13(目安量)とp.33(仕様表)には、カフェ・ジャポーネの豆量が約10〜18gと12〜20gという別々の数字で載っています。この点について、デロンギ公式のよくある質問「(ECAM35035W)取扱説明書の補足と訂正」が正しい値を出しています。
| 抽出量の設定 | カフェ・ジャポーネの豆量(公式の訂正後) |
|---|---|
| 120mL以下 | 約5〜9g |
| 120mLを超える | 約10〜18g |
訂正の対象はp.13の目安量とp.33の仕様表の両方です。抽出量を120mL以下に絞ると、豆量の範囲も約5〜9gに下がります。他のメニュー(1杯6〜11g、2杯10〜14g、スペシャルティ8〜14g、ドッピオ+15g)は両ページで一致していて、訂正の対象にも入っていません。
豆ホッパーに入れる量の話であれば、説明書p.13が「適量の豆で抽出するために、目安量より多めにコーヒー豆を入れてください」と書いています。少なく入れて足りなくなるより、多めに入れておくほうが安全という設計です。

120mL以下にすると、間欠抽出が1回に減ります
この記事でいちばん伝えたい注意点が、ここです。
設定範囲の下限は約115mL。エスプレッソに近い濃さを求めて、下限ぎりぎりまで絞りたくなる人はいると思います。でも取扱説明書p.14には、こう書かれています。
定量設定で抽出量を120mL以下に設定した場合は1回抽出となります。
通常のカフェ・ジャポーネは、給湯と蒸らしを繰り返す間欠抽出を2回行います。それを120mL以下にすると、1回で終わる。蒸らしの回数が半分になるということです。
つまり115〜120mLに設定したカフェ・ジャポーネは、量が少ないだけの同じ飲み物ではありません。抽出の動きそのものが変わっています。薄めのエスプレッソが欲しいのであれば、カフェ・ジャポーネを絞るより、エスプレッソボタンやドッピオ+を使うほうが素直です。
ついでにもう1つ。説明書p.14には「スペシャルティ、カフェ・ジャポーネ、ドッピオ+は2杯抽出できません」とあります。2人分をまとめて出したい場合は、2回に分けて淹れることになります。

設定を元に戻したいときは「メニューリセット」
いろいろ触っているうちに分からなくなることは、あります。ディナミカには初期設定値に戻す機能が用意されています。取扱説明書p.23です。
- 設定/ESCボタンを押して、プログラムモードにする。
- ▼または▲で「イッパン」を選び、OKボタンで確定する。
- ▼または▲で「メニューリセット」を選び、OKボタンで確定する。
- リセットしたいメニューを選ぶ。「オールメニュー」ですべて、個別のメニュー名を選べばそれだけが戻ります。
- OKボタンを押して確定。「リセットカンリョウ」と表示されれば終わりです。
戻るのはコーヒーの濃さと抽出量の設定です。言語や水硬度まで含めて工場出荷時に戻したい場合は、同じ「イッパン」の中にある「プログラムリセット」のほうを使います。
この「戻せる」という点は、地味ですが重要です。試して駄目なら戻せると分かっていれば、思い切って250mLまで振ってみることができますから。
よく飲む量は、マイメニューにも登録できます
ディナミカにはマイメニューボタンがあり、マイカフェ・ジャポーネとして濃さと量を別枠で登録できます。抽出ボタン側の設定を普段使いの量にしておき、マイメニュー側に来客用の大きめを入れておく、といった使い分けができるわけです。手順は説明書p.15とp.21。こちらは別記事で扱います。
まとめ:ディナミカのカフェ・ジャポーネは「初期180mL・115〜250mLで可変」で解決
- カフェ・ジャポーネの抽出量は初期180mL、設定範囲は約115〜250mL。マグニフィカSの約120mL固定とは別物です。
- 設定はプログラムモードの「メニューセッテイ」から。抽出しながら、好みの量でOKボタンを押して確定します。
- 120mL以下にすると間欠抽出が2回から1回に減ります。絞りすぎは味の設計そのものを変えてしまいます。
- 豆量はデロンギ公式の訂正で、抽出量120mL以下なら約5〜9g、120mLを超えるなら約10〜18gです。取扱説明書p.13・p.33の数字は訂正前のものです。
- 迷ったら「メニューリセット」で初期設定値に戻せます。
まずは200mLあたりで一度設定してみてください。マグカップにちょうど収まって、間欠抽出も2回のまま。そこを基準にして、濃いと感じたら量を増やし、薄いと感じたら豆量調整ボタンを1段上げる。この2つの操作だけで、ほとんどの好みには届きます。
ディナミカという機種そのものを知りたくなったら、マグニフィカSとの違いを3点に絞ってまとめた記事へどうぞ。抽出量を自分で決められることが、この機種の価格をどう正当化しているかが見えてきます。
