
ADC-N060は、タイガーのドリップ式コーヒーメーカーです。ペーパーフィルターに粉を入れ、水タンクに水を入れて、スイッチを入れるだけ。サーバーに落とす使い方のほかに、専用のカップトレイを置いてマグカップへ直接ドリップする使い方が、取扱説明書に載っています。


3秒でわかる結論
- 向いている人:サーバーでもマグカップでも淹れたい人。マグカップには、高さ7〜10cm、容量250mL以上、耐熱温度120度以上という条件がある(p.6、p.11)。
- 向かない人:洗い物を食洗機に任せたい人。食器洗浄機や食器乾燥器は使わないよう書かれている(p.3、p.13)。
- 見落としやすい点:マグカップへの直接ドリップは1杯分(約180mL)が目安で、抽出後に保温はできない(p.5、p.11、p.12)。
- サーバーの保温は約15分までが目安。続けて淹れるときは、本体が冷めるまで約10分待つ(p.10)。
今回は実機レビューではなく、コーヒー器具を100以上試してきた専門家としての分析・解説です。ページ番号は、ADC-N型の取扱説明書の印刷ページに合わせています。取扱説明書にない情報は、公式の製品ページ(2026年11月4日確認)として書き分けます。
タイガー ADC-N060の基本仕様
| 型名 | ADC-N060(取扱説明書の表記はADC-N型。公式の製品ページでは、ブラック<K>が品番ADC-N060) |
|---|---|
| 方式 | ドリップ式(p.15) |
| 満水容量 | 約0.81L(p.15) |
| できあがり量の目安 | ホット1カップ約120mL、アイス1カップ約60mL(p.8) |
| 消費電力 | 550W(100V、50-60Hz。p.15) |
| 外形寸法 | 幅約15.4×奥行約27.2×高さ約30.1cm。カップトレイ使用時の奥行は約24.6cm(p.15) |
| 質量 | 約1.9kg。カップトレイ使用時は約1.6kg(p.15) |
| コードの長さ | 約1.2m(p.15) |
| サーバー | ステンレス製(p.6) |
| 付属品 | 計量スプーン(すり切り1杯約7g)、ペーパーフィルター、カップトレイ(p.6) |
| 保証 | お買い上げの日から1年間。消耗品は除く(p.15) |
仕様はp.15に載っていて、寸法と質量には「おおよその数値」の注記があります。幅は約15.4cmと細身で、奥行は約27.2cm。カップトレイを使うと、奥行は約24.6cmになります。置き場所を決めるときは、奥行と高さ(約30.1cm)を先に測ってください。
設置については、不安定な場所、水のかかりやすい場所、壁や家具の近くなどでは使わないこと(p.2)、キッチン用収納棚(スライド式テーブル)で使うときは、中に蒸気がこもらないようにすること(p.3)が書かれています。蒸気が出る機種なので、棚の下で使う人は特に確認が要ります。
公式の製品ページでは、ADC-N060は「数量限定」「限定商品」として案内されています。在庫がなくなれば買えなくなるので、気になる人は先に在庫を確認してください。
ADC-N060の特徴を取扱説明書で確認する
マグカップに直接ドリップできる(カップトレイ使用)
サーバーにドリップする以外に、カップトレイを本体にセットして、マグカップへ1杯分を直接ドリップできます(p.11)。マグカップは付属していません。高さ7〜10cm、容量250mL以上、耐熱温度120度以上のものを使います(p.6、p.11)。粉の目安は、マグカップ(約180mL)1杯分で、計量スプーンすり切り1.5杯です(p.11)。
カップトレイは、必ずフィルターを先に取りつけてからセットします。順番を逆にすると、開閉レバーが正しく動かず、コーヒーが出なかったりあふれたりします(p.11)。マグカップを本体に直接置くことはできず、必ずカップトレイの上に置きます(p.11)。カップトレイを使うときは、付属のコーヒーサーバーは使いません(p.5)。
できあがりは約3分が目安です(p.12)。ドリップ中にマグカップを取り出さないこと、抽出後は保温しないことも書かれています(p.5、p.12)。
サーバーはステンレス製で、最大6杯
サーバーはステンレス製で、ホット最大6杯分を淹れられます(p.6、p.8)。公式の製品ページでは「洗いやすく割れないステンレスサーバー」と紹介されていますが、「サーバーはまほうびん構造ではありません」とも注記されています。保温ポットのように、長くあたたかさを保つ作りではない、ということです。サーバーは、直火や電子レンジにかけたり、冷蔵庫や冷凍庫に入れたりしないよう書かれています(p.4)。
水タンクは取りはずして給水する
水を入れるときは、必ず水タンクを本体からはずします。本体にセットしたまま水を入れると、水管に水が流れ込み、抽出量が多くなると注意されています(p.9)。目盛りの「6」を超えて水を入れないこと、水タンクにお湯や熱湯を入れないこと、セットしたあとは本体からはずさないことも、あわせて書かれています(p.9)。
フィルターを先に付け、サーバーを後からセットする
コーヒーサーバーを本体にセットする前に、必ずフィルターを先に取りつけます(p.8)。サーバーは、開閉レバーを押す位置に確実にセットします。開閉レバーが押されると抽出口が開き、コーヒーがドリップされる仕組みです(p.9)。順番を逆にすると、抽出口が開かず、コーヒーが出なかったりあふれたりする原因になります(p.9)。
できあがり時間の目安は約2〜11分
スイッチを入れてパイロットランプが点灯してから、約30秒後にドリップが始まります(p.10)。サーバーにドリップしたときの、できあがりまでの目安は約2〜11分です。室温、水量、コーヒー粉の量などによって変わる、という注記がついています(p.10)。


使い方の流れ(取扱説明書p.8〜12)
コーヒー粉を入れる目安
| カップ数 | ホット(粉の量) | アイス(粉の量) |
|---|---|---|
| 1 | 1.5杯 | – |
| 2 | 2杯 | 2杯 |
| 3 | 3杯 | 3杯 |
| 4 | 4杯 | 4杯 |
| 5 | 5杯 | 5杯 |
| 6 | 6杯 | 6杯 |
杯数は、付属の計量スプーンのすり切り換算です(p.8)。ホットの1カップは約120mL、アイスの1カップは約60mLで、アイスは1カップだけの作り方が載っていません。粉の量はお好みで加減してよい一方、「カップ数より少ない量はつくらない」という注意書きがあります(p.8)。
サーバーにドリップする手順
- ペーパーフィルターを折り、フィルターにセットする。フィルターからはみ出さない位置まで奥に収める(p.8)
- 計量スプーンで粉をペーパーフィルターに入れ、上面をならす(p.8)
- フィルターを本体に取りつける。奥まで確実に入れる(p.8)
- サーバーふたを付けたコーヒーサーバーを、本体に正しくセットする(p.9)
- 水タンクを本体からはずして水を入れ、本体へ確実に取りつける(p.9)
- スイッチが「OFF」であることを確認し、差込プラグをコンセントに差してスイッチを「ON」にする(p.10)
- お湯や蒸気が完全に止まったらスイッチを「OFF」にして、コーヒーを注ぐ(p.10)
- 差込プラグをコンセントから抜き、冷めてからフィルターを取り出す(p.10)
取扱説明書の手順は11ステップで、上はそれを8つにまとめたものです。ドリップ中に差込プラグを抜かないこと。誤って抜いたときは、いったんスイッチを「OFF」にして、スイッチを入れる手順からやり直します(p.10)。水タンクの水がなくなっても、しばらくはドリップが続くため、お湯や蒸気が完全に止まるまで待ちます(p.10)。
アイスコーヒーは2〜6カップで作る
アイスコーヒーを作るときは、アイス用の粉を使うようにと案内されています(p.8)。作り方は、グラスに8分目まで氷を入れてから、コーヒーを注ぎ、かきまぜて冷やします(p.10)。熱めのコーヒーを飲みたいときは、あらかじめ熱湯などで温めておいたカップに注ぎます(p.10)。
気になる点とデメリット

食洗機は部品を問わず使えない
安全上のご注意(p.3)にも、お手入れの項(p.13)にも、食器洗浄機や食器乾燥機は使わない、と書かれています。変形・破損の原因とされ、煮沸もしないよう書かれています(p.3)。使うたびに洗う7部品、水タンクふた、フィルター、水タンク、サーバーふた、カップトレイ、コーヒーサーバー、計量スプーンは、すべて手洗いです(p.13)。水タンクのパッキンははずさないこと。水もれの原因になる、と書かれています(p.13)。
マグカップの条件がある
使えるマグカップは、高さ7〜10cm、容量250mL以上、耐熱温度120度以上です。指定のマグカップ以外は使いません(p.5、p.11)。形や置き方によっては、コーヒーが飛び散るおそれもあります(p.11)。手持ちのマグカップが条件に合うか、先に測っておくと安心です。
続けて淹れるときは約10分待つ
続けて使うときは、本体が冷めるまで約10分待ちます。すぐに水を入れたり動かしたりすると、蒸気が噴き出してやけどをするおそれがあります(p.3)。最後に水タンクをセットしてから、再度ドリップします(p.10)。
保温は約15分まで。少量だと冷めやすい
サーバーで淹れたときに保温するには、スイッチを「ON」のままにします。保温時間は約15分までが目安です(p.10)。抽出量が1〜2カップと少ないと冷めやすく、寒冷地など使用環境が厳しいと、保温効果が充分に得られない場合があるとも書かれています(p.14)。マグカップへ直接ドリップしたときは、抽出後に保温しません(p.12)。じっくり飲む人は、保温ポットに移す運用のほうが現実的です。
濃さの切り替えやタイマーは、取扱説明書に出てこない
濃さを変える機能、タイマー予約、浄水フィルターの記載は、取扱説明書にありません。操作はスイッチのON・OFFだけで、濃さは粉の量で決める前提の機種です。
湯の出が悪いときはクエン酸で洗浄する
お湯の出具合が悪くなったとき、抽出時間がいつもより長くなったときは、クエン酸で本体内を洗浄します(p.12)。手順は次のとおりです。
- フィルターとコーヒーサーバーをセットする。ペーパーフィルターと粉は入れない
- 水タンクにクエン酸約10g(大さじ1杯)を入れ、目盛り「5」まで水を入れて混ぜる
- ドリップする
- クエン酸水が目盛り「2」まで減ったら、スイッチを「OFF」にする
- 約10分たったら、水タンクに残ったクエン酸水を捨ててすすぐ
- コーヒーサーバーのお湯を捨てる
- においを取るために、水タンクの「5」まで水を入れ、1〜4回ドリップする。ペーパーフィルターと粉は入れず、ドリップ後のお湯は捨てる
クエン酸は、電気ポット内容器洗浄用(約30g×4包入り、品番PKS-0120)が案内されています(p.12)。ミネラルウォーターやアルカリイオン水を使うと、本体内部にカルシウム分が付着して、抽出時間が長くなったり最後までドリップできなくなったりするおそれがあります。その場合は、よりこまめなお手入れが求められます(p.3)。
専門家の一言
洗い物の手間は、部品の数より、食洗機に入れられるかどうかで決まります。このモデルは全部手洗いが前提です。毎日使うなら、洗う7部品(p.13)を先に確認しておくと安心です。
お手入れの方法(取扱説明書p.13)
| 部品 | お手入れ |
|---|---|
| 水タンクふた、フィルター、水タンク、サーバーふた、カップトレイ、コーヒーサーバー、計量スプーン | 洗剤をうすめた水またはぬるま湯で、スポンジや歯ブラシを使って洗い、水ですすぐ。乾いた布で水分をふき取り、充分に乾燥させる。食洗機・食器乾燥機・熱湯は使わない |
| 本体 | 洗剤をうすめたお湯に布をひたし、かたくしぼってふく。乾いた布で水分・洗剤分をふき取り、充分に乾燥させる。水につけたり水をかけたりしない |
| 電源コード、差込プラグ | 乾いた布でふく |
洗剤は台所用合成洗剤(食器用・調理器具用)を使い、充分に洗い流します。洗剤分が残ると、樹脂などの劣化・変色の原因になります。シンナー類、クレンザー、漂白剤、化学ぞうきん、金属たわし、ナイロンたわしは使いません(p.13)。吐出口に汚れが付いたときはふき取ります(p.13)。使用後は吐出口付近に水滴がつくので、本体が冷えてからふき取ります(p.14)。
公式の製品ページには、前面パネルとフィルターケースが一体になっていて「まる洗いできる」と書かれています。取扱説明書で案内されている洗い方は手洗いです。この「まる洗い」は、食洗機が使えるという意味ではありません。
ADC-N060とADC-H060の違い
同じタイガーの1万円以下で、サイズはほぼ同じです(幅15.4×奥行27.2×高さ30.1cm)。ただし食洗機の扱いは正反対で、ADC-H060はフィルター、サーバーふた、コーヒーサーバーの3部品が食洗機に対応しています(ADC-H型取扱説明書p.13)。
| 項目 | ADC-N060 | ADC-H060 |
|---|---|---|
| 消費電力 | 550W | 690W |
| 質量 | 約1.9kg(カップトレイ使用時は約1.6kg) | 約1.8kg |
| サーバー | ステンレス製 | 耐熱ガラス製 |
| 食洗機 | 部品を問わず使えない | 3部品が使える |
| ペーパーフィルター | 付属あり。市販の「1×2」「102」も使える | 市販品を別に買う(「1×2」または「102」) |
| できあがり時間の目安 | 約2〜11分 | 約3〜9分 |
| 保温の目安 | 約15分まで | 約15分まで |
こんな人には向いている・向いていない
向いている人
- マグカップに直接ドリップして、そのまま飲みたい人
- 6杯分までを、ステンレスのサーバーで一度に淹れたい人
- 幅約15.4cmの細い置き場所に置きたい人
- 手洗いのお手入れが苦にならない人
向いていない人
- 洗い物を食洗機に任せたい人
- 濃さの切り替えや、タイマー予約の機能がほしい人
- 長い時間、保温しておきたい人(サーバーでも約15分まで)
- 条件に合うマグカップがない人(高さ7〜10cm、容量250mL以上)
よくある質問
初めて使うときは?
本体以外の部品を水洗いし(p.13)、1〜2回ドリップして本体内を洗浄します。水は水タンクの「6」まで入れ、粉とペーパーフィルターはセットしません。ドリップ後のお湯は捨てます(p.7)。
ペーパーフィルターは何を使えばいい?
付属品にペーパーフィルターがあり、市販のものも使えます。サイズは「1×2」または「102」です(p.6)。指定の大きさ以外のペーパーフィルターを使うと、うまくドリップできず、水もれや故障の原因になります(p.5)。
コーヒーが抽出されない、あふれるときは?
フィルターが確実に取りつけられているか、開閉レバーが押されているか(サーバーまたはカップトレイを確実にセットしたか)を確認します(p.14)。サーバーからあふれる場合は、水タンクの「6」を超えて水を入れていないかも見直します(p.9、p.14)。
マグカップからあふれるときは?
水タンクの目盛りを超えて水を入れていないか、カップトレイとマグカップを確実にセットしているか、指定のマグカップを使っているかを確認します(p.14)。
コーヒーが薄いときは?
ペーパーフィルターが、フィルターの上からはみ出していないか、内側に折れ曲がっていないかを確認します。はみ出さないように、正しくセットします(p.14)。
部品は買い足せますか?
コーヒーサーバー、水タンク、水タンクふた、フィルター、サーバーふた、カップトレイ、計量スプーンが、消耗品・別売品として案内されています(p.15)。補修用性能部品の保有期間は、製造打ち切り後5年です(p.15)。
他の1万円以下のドリップ式と比べる
ADC-N060は、マグカップへの直接ドリップに対応し、食洗機は使えません。1万円以下のドリップ式では、象印、タイガー、アイリスオーヤマ、メリタの4機種を、洗いやすさ・淹れ方・サイズで比べた記事があります。
1万円以下のドリップ式コーヒーメーカー4機種を公式情報で比較した記事
食洗機に入れられる部品があるかどうかだけを、5機種で見比べた記事もあります。手洗いの手間が気になる人は、こちらが近道です。
同じタイガーで、食洗機に入れられる部品があるADC-H060は、取扱説明書で確認した記事があります。
マグカップではなくマグボトルへ直接ドリップする使い方なら、アイリスオーヤマ CMS-0800を確認した記事が参考になります。
アイリスオーヤマ CMS-0800を取扱説明書で確認した記事
各ショップの最新価格を確認する
実売価格は店舗や時期で変わります。Amazonでは、2026年11月4日の確認時点で、ブラックが6,364円でした。購入前に、各ショップの現在価格と在庫を確認してください。
まとめ:タイガー ADC-N060は「マグカップに直接淹れられる、手洗い前提の6杯機」
マグカップへ直接ドリップでき、ステンレスのサーバーで最大6杯。その一方で、食洗機は使えず、サーバーの保温は約15分まで。取扱説明書を読む限り、これが答えです。手洗いが苦でなければ、検討する価値があります。

出典
- タイガー魔法瓶:ADC-N型 取扱説明書(安全上のご注意p.2〜5、各部のなまえp.6、はじめて使うときp.7、使い方p.8〜12、クエン酸洗浄p.12、お手入れp.13、故障かな?と思ったらp.14、仕様・消耗品p.15)
- タイガー魔法瓶:コーヒーメーカー ADC-N060 製品ページ(2026年11月4日確認)
- タイガー魔法瓶:ADC-H型 取扱説明書(ADC-H060との比較に使用。お手入れp.13)
