
ADC-H060は、タイガーのドリップ式コーヒーメーカーです。ペーパーフィルターに粉を入れ、水タンクに水を入れて、スイッチを入れるだけ。ホットは1〜6カップ、アイスは2〜6カップまで作れます。


3秒でわかる結論
- 向いている人:洗い物の一部を食洗機に任せたい人。フィルター、サーバーふた、コーヒーサーバーが食洗機に対応している(p.13)。
- 向かない人:全部品を食洗機で洗いたい人。水タンク、水タンクふた、計量スプーンは手洗い(p.13)。
- 見落としやすい点:ペーパーフィルターは市販品を別に買う。サイズは「1×2」または「102」(p.8)。
- 保温は約15分まで。連続で淹れるときは本体が冷めるまで約10分待つ(p.11)。
今回は実機レビューではなく、コーヒー器具を100以上試してきた専門家としての分析・解説です。ページ番号は、ADC-H型の取扱説明書の印刷ページに合わせています。
タイガー ADC-H060の基本仕様
| 型名 | ADC-H060(取扱説明書の表記はADC-H型) |
|---|---|
| 方式 | ドリップ式 |
| 最大使用水量 | 約0.81L |
| できあがり量の目安 | ホット1カップ約120mL、アイス1カップ約60mL(p.8) |
| 消費電力 | 690W(100V、50-60Hz) |
| 外形寸法 | 幅約15.4×奥行約27.2×高さ約30.1cm |
| 質量 | 約1.8kg |
| コードの長さ | 約1.2m |
| 付属品 | 計量スプーン(すり切り1杯約7g) |
| ペーパーフィルター | 市販品。サイズは「1×2」または「102」(p.8) |
| 保証 | お買い上げの日から1年間(消耗品は除く、p.15) |
仕様はp.15に載っていて、寸法と質量には「おおよその数値」の注記があります。幅は約15.4cmと細身ですが、奥行は約27.2cmあります。置き場所を決めるときは、奥行を先に測ってください。
設置については、壁や家具の近くでは使わないこと(p.2)、キッチン用収納棚(スライド式テーブル)で使うときは蒸気孔の上方に充分な空間を設けること(p.3)が書かれています。蒸気が出る機種なので、棚の下で使う人は特に確認が要ります。
ADC-H060の特徴を取扱説明書で確認する
食洗機で洗えるのは3部品だけ
取扱説明書のお手入れの項(p.13)には、「以下の部品は、食器洗い乾燥機や食器乾燥器が使用できます」として、フィルター、サーバーふた、コーヒーサーバーの3点が並んでいます。安全上の注意(p.3)でも、食器洗い乾燥機などは使わないとしたうえで、この3部品は除くと書かれています。
1万円以下のコーヒーメーカーで、洗う部品のうち主要なものが食洗機に対応しているのは、買う前に知っておきたい情報です。詳しい条件はお手入れの章でまとめます。
水タンクは取りはずして給水する
水を入れるときは、必ず水タンクを本体からはずします。本体にセットしたまま水を入れると、水管に水が流れ込み、抽出量が多くなると注意されています(p.10)。水タンクの目盛りは、作りたいカップ数に合わせます。ホットとアイスで目盛りの線が別になっていて、ホットは「6」まで(p.7、p.10)。
フィルターを先に付け、サーバーを後からセットする
フィルターは、コーヒーサーバーを本体にセットする前に、必ず先に取りつけます。開閉レバーは、サーバーを押し込む位置で作動し、抽出口が開いてコーヒーがドリップされる仕組みです(p.9)。順番を逆にすると、抽出口が開かず、コーヒーが出なかったりあふれたりする原因になります(p.9)。
できあがり時間の目安は約3〜9分
スイッチを入れてランプが点灯してから、約30秒後にドリップが始まります(p.11)。できあがりまでの目安は約3〜9分で、室温、水量、コーヒー粉の量などによって変わる、という注記つきです(p.11)。


使い方の流れ(取扱説明書p.8〜11)
コーヒー粉を入れる目安
| カップ数 | ホット(粉の量) | アイス(粉の量) |
|---|---|---|
| 1 | 1.5杯 | – |
| 2 | 2杯 | 2杯 |
| 3 | 3杯 | 3杯 |
| 4 | 4杯 | 4杯 |
| 5 | 5杯 | 5杯 |
| 6 | 6杯 | 6杯 |
杯数は、付属の計量スプーンのすり切り換算です(p.8)。ホットの1カップは約120mL、アイスの1カップは約60mLで、アイスは1カップだけの作り方が載っていません。注意書きとして、カップ数より少ない量は作らないよう書かれています(p.8)。
手順の流れ
- 市販のペーパーフィルターを折り、フィルターにセットする。フィルターからはみ出さない位置まで奥に収める(p.8)
- 計量スプーンで粉をペーパーフィルターに入れ、上面をならす(p.8)
- フィルターを本体に取りつける。奥まで確実に入れる(p.9)
- サーバーふたを付けたコーヒーサーバーを、本体に正しくセットする(p.9)
- 水タンクを本体からはずして水を入れ、本体へ確実に取りつける(p.10)
- スイッチが「OFF」であることを確認し、差込プラグをコンセントに差してスイッチを「ON」にする(p.10、p.11)
- お湯や蒸気が完全に止まったらスイッチを「OFF」にして、コーヒーを注ぐ(p.11)
- 差込プラグをコンセントから抜き、冷めてからフィルターを取り出す(p.11)
取扱説明書の手順は11ステップで、上はそれを8つにまとめたものです。ドリップ中に差込プラグを抜かないこと。誤って抜いたときは、いったんスイッチを「OFF」にして、手順をやり直します(p.11)。
アイスコーヒーは2〜6カップで作る
アイスコーヒーを作るときは、アイス用の粉を使うようにと案内されています(p.8)。作り方は、グラスに8分目まで氷を入れてから、できたコーヒーを注ぎ、かきまぜて冷やします(p.11)。
気になる点とデメリット

食洗機に入れられない部品もある
水タンク、水タンクふた、計量スプーンは、洗剤をうすめた水かぬるま湯で、スポンジや歯ブラシを使って洗います(p.13)。食洗機には入れられません。水タンクのパッキンははずさないこと。水もれの原因になる、と書かれています(p.13)。
ペーパーフィルターは別に買う
ペーパーフィルターは、市販のものを購入するよう案内されています(p.8)。サイズは「1×2」または「102」。フィルターからはみ出す状態だと、コーヒーが薄くなる原因になるため、折り方と置き方に注意が要ります(p.8、p.14)。
濃さの切り替えや浄水フィルターは、取扱説明書に出てこない
濃さを変える機能や、浄水フィルターの記載は、取扱説明書にありません。濃さは粉の量で決める前提の機種です。スプーンの量を増減して好みに合わせる、シンプルな構成と読めます。
連続で淹れるときは約10分待つ
続けて使うときは、本体が冷めるまで約10分待ちます。すぐに水を入れたり動かしたりすると、蒸気が噴き出してやけどをするおそれがあります(p.3)。最後に水タンクを取りつけてから、再度ドリップします(p.11)。
保温は約15分まで。少量だと冷めやすい
保温するときは、スイッチを「ON」のままにします。保温時間は約15分までが目安です(p.11)。抽出量が1〜2カップと少ないと冷めやすく、寒冷地など使用環境が厳しいと、保温効果が充分に得られない場合があるとも書かれています(p.14)。じっくり飲む人は、保温ポットに移す運用のほうが現実的です。
湯の出が悪いときはクエン酸で洗浄する
お湯の出具合が悪くなったとき、抽出時間がいつもより長くなったときは、クエン酸で本体内を洗浄します(p.12)。手順は次のとおりです。
- フィルターとコーヒーサーバーをセットする。ペーパーフィルターと粉は入れない
- 水タンクにクエン酸約10g(大さじ1杯)を入れ、目盛り「5」まで水を入れて混ぜる
- ドリップする
- クエン酸水が目盛り「2」まで減ったら、スイッチを「OFF」にする
- 約10分たったら、水タンクに残ったクエン酸水を捨ててすすぐ
- コーヒーサーバーのお湯を捨て、においを取るために「5」まで水を入れて1〜4回ドリップする
タイガーのクエン酸は、ポット内容器洗浄用(約30g×4包入り、品番PKS型)が案内されています(p.12)。ミネラルウォーターやアルカリイオン水を使うと、本体内部にカルシウム分が付着しやすいため、よりこまめなお手入れが求められます(p.3)。
専門家の一言
洗い物の手間は、部品の数より、食洗機に入れられる部品がどれかで決まります。毎日使うなら、お手入れの表(p.13)を購入前に一度見ておくと安心です。
お手入れの方法(取扱説明書p.13)
| 部品 | お手入れ |
|---|---|
| フィルター、サーバーふた、コーヒーサーバー | 食洗機・食器乾燥機が使用できる。使うたびにお手入れする(p.3、p.13) |
| 水タンク、水タンクふた、計量スプーン | 洗剤をうすめた水かぬるま湯で、スポンジや歯ブラシで洗って水ですすぐ。乾いた布でふき、充分に乾燥させる |
| 本体 | 洗剤をうすめたお湯に布をひたし、かたくしぼってふく。乾いた布で水分と洗剤分をふき取る。水につけたり水をかけたりしない |
| 電源コード、差込プラグ | 乾いた布でふく |
洗剤は台所用合成洗剤(食器用・調理器具用)を使い、充分に洗い流します。シンナー類、クレンザー、漂白剤、化学ぞうきん、金属たわし、ナイロンたわしは使いません(p.13)。吐出口に汚れが付いたときはふき取る、と書かれています。フィルターは、コーヒーにふれるため着色することがありますが、性能上の問題はありません(p.13)。
食洗機を使うときの注意
- 対象はフィルター、サーバーふた、コーヒーサーバーのみ
- 食器洗い乾燥機専用の洗剤を使う
- ガラスに傷のついた状態では使わない。割れるおそれがある
- ヒーターや高温部の近くを避ける。温度設定ができる機種は低温に設定する
お使いの食洗機の取扱説明書もあわせて読むよう、案内されています(p.13)。コーヒーサーバーは耐熱ガラス製で、直火や電子レンジ、冷蔵庫、冷凍庫には入れられません(p.5)。
こんな人には向いている・向いていない
向いている人
- 洗い物のうち、フィルターとガラスのサーバーを食洗機に任せたい人
- 粉の量だけで、シンプルに淹れたい人
- 幅が狭い置き場所(約15.4cm)で、奥行に余裕がある人
- ホットもアイスも、2〜6カップ分を一度に作りたい人
向いていない人
- 水タンクや計量スプーンまで含めて、すべて食洗機で洗いたい人
- 濃さの切り替えや浄水機能を求める人(取扱説明書に記載がない)
- 1杯だけのアイスコーヒーを作りたい人(アイスは2カップから)
- 長い時間、保温しておきたい人(約15分まで)
よくある質問
初めて使うときは?
本体以外の部品を水洗いし、1〜2回ドリップして本体内を洗浄します。水は水タンクの「6」まで入れ、コーヒー粉とペーパーフィルターはセットしません。ドリップ後のお湯は捨てます(p.7)。
ペーパーフィルターは何を買えばいい?
市販の「1×2」または「102」です(p.8)。フィルターからはみ出さないように、奥まで収まる位置にセットします。
コーヒーが抽出されない、本体からあふれるときは?
フィルターが本体に確実に取りつけられているか、開閉レバーが押されているか(コーヒーサーバーを確実にセットしたか)を確認します(p.14)。コーヒーサーバーからあふれる場合は、水タンクの「6」を超えて水を入れていないか、フィルターの取りつけも見直します(p.14)。
コーヒーが薄いときは?
ペーパーフィルターがフィルターの上からはみ出していないかを確認し、はみ出さないように確実にセットします(p.14)。
部品は買い足せますか?
コーヒーサーバー、水タンク、水タンクふた、フィルター、サーバーふた、計量スプーンが、消耗品・別売品として案内されています(p.15)。補修用性能部品の保有期間は、製造打ち切り後10年です(p.15)。
他の1万円以下の機種と比べる
タイガー ADC-H060を、アイリスオーヤマ、メリタ、象印の3機種と並べて、洗いやすさ・淹れ方・サイズで比べた記事があります。食洗機が使えるかどうかを見比べたい人は、先にこちらを確認してください。
1万円以下のドリップ式コーヒーメーカー4機種を公式情報で比較した記事
食洗機が使えない対照的な機種として、象印 EC-MA60を取扱説明書で確認した記事もあります。
各ショップの最新価格を確認する
実売価格は店舗や時期で変わります。購入前に、各ショップの現在価格と在庫を確認してください。
まとめ:タイガー ADC-H060は「食洗機に任せられる部品がある、シンプルな入門機」
フィルター、サーバーふた、コーヒーサーバーは食洗機に対応。一方で、水タンクと計量スプーンは手洗いで、保温は約15分まで。取扱説明書を読む限り、これが答えです。洗い物を少し楽にしたい人なら、検討する価値があります。

出典
- タイガー魔法瓶:ADC-H型 取扱説明書(安全上のご注意p.2〜5、各部のなまえp.6、はじめて使うときp.7、使い方p.8〜11、クエン酸洗浄p.12、お手入れp.13、故障かな?と思ったらp.14、仕様p.15)
