

- カス受けにたまる水は故障ではない。内部洗浄とエスプレッソの抽出のたびに少量のお湯を排出する仕様だと、デロンギ公式FAQが明記している
- トレイにたまるお湯や蒸気も、抽出量が減っていなければ異常ではない。水位計の先端が出てきたら捨てる合図
- 修理が必要なのは「コーヒーの抽出中にトレイ側へ水が漏れる」「水タンクを奥まで差し込んでも差し込み部から漏れる」「本体の下から水が出る」の3つ
- 本体から水が漏れているときは、使用を中止して電源プラグを抜くのが先。取扱説明書の「安全上のご注意」にそう書かれている
デロンギの水漏れは「どこに・いつ」で見分ける
デロンギの全自動コーヒーマシン(全自動エスプレッソマシン)は、電源を入れたときと切るときに、抽出口からお湯を流して内部の水路を洗います。この排水の受け皿が、トレイとカス受けです。
つまり、トレイやカス受けが濡れているだけでは、水漏れとは言えません。判断の決め手になるのは、水が出ている場所と、出るタイミングです。マグニフィカS(ECAM22112)とディナミカ(ECAM35035)の取扱説明書、デロンギ公式FAQの記載を場所別にまとめると、次の表になります。
| 水が出ている場所 | 出るタイミング | 判定 | やること |
|---|---|---|---|
| カス受けの中 | 電源の入/切、エスプレッソの抽出後、除石灰の後 | 正常 | カスを捨てるときに一緒に捨てる |
| トレイ(水位計が上がる) | 電源の入/切、スチームの前後 | 正常(抽出量が減っていなければ) | 水位計の先端が出たら捨てる |
| ミルクフロッサーの中 | ミルクを温める前 | 正常(温度差でたまる水分) | ミルクを温める前に空ぶかしする |
| トレイ(抽出中に流れ込む) | コーヒーを抽出している最中 | 要修理 | デロンギへ連絡する |
| 水タンクの差し込み部 | 水タンクを取り付けているとき | 要確認 | 水タンク単体で漏れるかを確かめる |
| 本体の下(台が濡れる) | 常に、または使用中 | 要修理 | 使用を中止し、電源プラグを抜いて点検を依頼する |
上の3行が「仕様として出る水」、下の3行が「確認や修理が要る水」です。順番に根拠を見ていきます。


故障ではない水1:カス受けにたまる水
内部洗浄と抽出のたびにお湯を出す仕様
デロンギ公式FAQ「【全自動コーヒーマシン】(ECAM・ETAM)カス受けに水が溜まる」は、冒頭で故障ではないと言い切っています。ECAM・ETAMシリーズは、内部洗浄とエスプレッソの抽出のときに、カス受けへ少量のお湯を排出する仕様だからです。
取扱説明書にも同じ記載があります。マグニフィカSは16ページ、ディナミカは11ページで、内部洗浄を行うとカス受けに水がたまることがあるが異常ではない、と書かれています。
電源をこまめに切るほど水は増える
公式FAQによると、電源の入/切で行う内部洗浄では、水分を吸ってくれるコーヒーの粉がありません。そのため、お湯がそのままカス受けに落ちます。1杯淹れるたびに電源を切る使い方をしていると、少し多めにたまるとも書かれています。
見落としやすいのがオートオフです。マグニフィカSの取扱説明書(16ページ・28ページ)では、オートオフで電源が切れるときも、そこから電源を入れ直すときも内部洗浄が行われます。自分で電源ボタンを押していなくても、洗浄の回数は増えているわけです。
豆を細かく挽くとカスの水分も増える
もう1つの条件が挽き目です。公式FAQは、豆の粒度を細かくして抽出すると、カス自体に含まれる水分がカス受けにたまると説明しています。味が薄いのでグラインダーを細かいほうへ回した、という人は、カス受けの水が増えても故障ではありません。
ディナミカは除石灰の後にもたまる
ディナミカの取扱説明書(29ページ)は、石灰の除去を行った後もカス受けに水がたまることがあるが異常ではない、としています。除石灰の翌朝にカス受けが濡れていても、落ち着いて捨てれば大丈夫です。
故障ではない水2:トレイにたまる水と蒸気
トレイはもともと排水の受け皿
取扱説明書の「各部のなまえとはたらき」には、トレイについて「内部洗浄で排出される水などがたまります」と書かれています(マグニフィカS 9ページ、ディナミカ 6ページ)。トレイに水があること自体は、設計どおりの状態です。
スチームの前後は蒸気とお湯が出る
デロンギ公式FAQ「【全自動コーヒーマシン】トレイから蒸気が出る/お湯がたまる」は、次の場面でトレイから蒸気が出ると説明しています。
- スチームボタンを押して、蒸気の準備をしているとき
- スチームを使い終えて、スチームつまみを閉じたとき
- スチームを使った直後に、内部洗浄をしたりコーヒーを抽出したりしたとき
このとき、トレイにお湯が少量たまることもあります。FAQの判断基準ははっきりしていて、抽出量が減っていなければ異常ではありません。
ディナミカの取扱説明書(18ページ)には、もう1つ注意書きがあります。スチームを使った直後にトレイを引き出さないこと。お湯が漏れる原因になるからです。カフェラテを作ってすぐトレイを抜いたら床が濡れた、というケースはこれに当たります。
水位計の先端が出てきたら捨てる合図
トレイには水位計が付いています。カップ受けの穴から先端が出てきたら、トレイの水を捨てるタイミングです(マグニフィカS 9ページ、ディナミカ 6ページ)。
この合図を見逃して使い続けると、トレイからあふれた水が本体のまわりを濡らします。水漏れを疑う前に、まず水位計が上がりきっていないかを見てください。
留守のあいだにトレイの水が増えていたら、まずオートオフを疑ってください。マグニフィカSの取扱説明書(28ページ)によると、オートオフで電源が切れるときも内部洗浄が行われ、抽出口から熱湯が出ます。しかもオートオフ機能は解除できません。電源を入れたまま離れるときはカップを置いておくよう16ページに書かれているのは、このお湯を受けるためです。
ミルクフロッサーにたまる水分
マグニフィカSの取扱説明書(20ページ)は、温度差によってミルクフロッサーの中に水分がたまることがあると説明しています。取り除くときは、ミルクを温める前に空ぶかしをします。ミルクを温める前にフロッサーから出てくる水は、この水分です。


修理が必要な水漏れは3パターン
パターン1:コーヒーの抽出中にトレイ側へ水が漏れる
マグニフィカSの取扱説明書(39ページ)の「故障かな?」には、「コーヒーを抽出中、トレイに水がたまる」という症状が載っています。原因は「コーヒーを抽出中に、トレイ側に水が漏れている」。対処の欄には、当社へご連絡くださいとだけ書かれています。
見分けるポイントはタイミングです。電源の入/切やスチームの前後ではなく、コーヒーを淹れている最中にトレイの水が増え、カップに入る量が減っている。この組み合わせなら、仕様の排水ではありません。
パターン2:水タンクを奥まで差し込んでも差し込み部から漏れる
水タンク(給水タンク)まわりの漏れは、デロンギ公式FAQ「【コーヒー共通】水やコーヒーが漏れる」が2段階の確認手順を示しています。
| 確認 | 結果 | 公式FAQの案内 |
|---|---|---|
| 1. 水タンク単体で水が漏れるか | 漏れる | ゴムパッキン(ガスケット)と破損の有無を確認する。それが原因なら、公式オンラインショップで新しい給水タンクを購入する |
| 2. 水タンクを奥までぎゅっと差し込んでも漏れるか | 漏れる | 修理・点検の申し込みへ進む |
水タンクだけを外して水を入れ、乾いた布の上に置いてみると、1の確認はすぐにできます。タンク自体から漏れていなければ、奥まで押し込み直してから2を確かめてください。
取扱説明書も、水タンクの扱いには注意を促しています。背面の給水口が破損すると水漏れの原因になる、という記載です(マグニフィカS 32ページ、ディナミカ 25ページ)。
→マグニフィカSの初期設定と「空気抜き」ができない時の原因は水タンクの奥までの押し込み不足や、ノズルの詰まり
パターン3:本体の下から水が出て台が濡れる
いちばん重いのがこのパターンです。マグニフィカSとディナミカの取扱説明書は、どちらも2ページの「安全上のご注意」で、異常・故障の例として「本体から水や蒸気が漏れる」を挙げています。その場合は直ちに使用を中止し、電源プラグをコンセントから抜いて、販売店かデロンギに点検・修理を依頼するよう求めています。
先に確かめるのは、トレイの水位計が上がりきって、あふれた水が回り込んでいないかどうかです。トレイからあふれた水ではないのに本体の下が濡れるなら、内部からの漏れを疑います。通電する機械の水漏れなので、様子見はしないでください。
修理に出すときの流れと費用の目安
連絡する前にメモしておく3つ
取扱説明書のアフターサービスの欄(マグニフィカS 42ページ)は、修理を依頼するときに伝える内容として、次の3つを挙げています。
- お買い上げ日
- 製品名と型式番号
- 故障の状況
型式番号は「ECAM22112B」のような表記で、ECAM22112のあとに続くアルファベットは色番号です(マグニフィカS取扱説明書 1ページ)。故障の状況は、この記事の表に沿って「どこに」「いつ」水が出たかを書き留めておくと、やり取りが早く進みます。
修理の流れ
デロンギ公式FAQ「【共通】修理・点検の流れ」の内容をまとめると、次の4ステップです。
| ステップ | 内容 |
|---|---|
| 1. 申し込み | インターネットの修理申込フォームなどから申し込む |
| 2. 製品の送付 | 申し込み時に集荷が手配される。保証期間内の保証修理は、往復の送料をデロンギが負担 |
| 3. 修理 | 製品が到着してから修理完了まで、おおよそ5〜10日前後 |
| 4. お届け・支払い | 有償修理は代金引換で受け取る |
費用の目安と保証期間
有償修理は2019年10月1日から定額制になっています。公式FAQ「【コーヒー共通】修理料金の概算金額について」が公開している概算は、次のとおりです。
| 製品タイプ | 該当する機種の例 | 修理概算金額(税抜) |
|---|---|---|
| アナログモデル | マグニフィカS(ECAM22112) | 22,000円〜 |
| デジタルモデル(液晶あり) | ディナミカ(ECAM35035W) | 25,000円〜 |
メーカー保証は1年です(取扱説明書のアフターサービス欄と保証書)。保証期間内なら送料の負担もありません。保証が切れたあとも、補修用性能部品の保有期間内であれば、デロンギは有償の修理と「まごころ点検」を受け付けていると取扱説明書に書かれています。
→マグニフィカSの修理料金の目安と、中古はメーカー保証なし/新品1年保証を3年保証にする方法
修理代が本体価格に近づくなら、直すより買い替えたほうが得な場面もあります。判断の目安は、寿命の記事で整理しました。
→コーヒーメーカーの寿命は何年?耐用年数の目安と買い替えを決める5つのサイン


水漏れを防ぐ5つの扱い方
| 扱い方 | 理由と出典 |
|---|---|
| 水タンクは奥までしっかり差し込む | 取扱説明書が繰り返し指示している(マグニフィカS 12〜13ページ、ディナミカ 9ページ)。公式FAQも、差し込み部の漏れを疑う前に奥までぎゅっと差し込むよう案内している |
| 水タンクの背面をぶつけない | 背面の給水口が破損すると水漏れの原因になる(マグニフィカS 32ページ、ディナミカ 25ページ) |
| 水位計が出たらトレイの水を捨てる | あふれた水が本体のまわりを濡らす(マグニフィカS 9ページ、ディナミカ 6ページ) |
| スチームの直後にトレイを引き出さない | お湯が漏れる原因になる(ディナミカ 18ページ) |
| 0℃以下になる場所に置かない | 製品内に残る水分の凍結が故障の原因になる(マグニフィカS 8ページ、ディナミカ 4ページ) |
取扱説明書のお手入れの章には、トレイ・カップ受け・カス受け・水滴受けの水洗いが載っています。カス受けのカスは電源を入れた状態で捨てる、部品を洗うときは電源を切る、という違いには気をつけてください(マグニフィカS 30〜32ページ)。
→マグニフィカSの水タンクの洗い方と、トレイに水が溜まる(水漏れ)原因 食洗器と熱湯は絶対NG
→デロンギ ディナミカの掃除は5カ所だけ!1日の終わりにやるお手入れ手順
よくある質問
水漏れしたまま使い続けても大丈夫ですか
本体から水が漏れている状態での使用は避けてください。取扱説明書の「安全上のご注意」は、本体から水や蒸気が漏れるときは直ちに使用を中止し、電源プラグを抜くよう求めています。カス受けやトレイにたまる水はこれに当たりません。
水タンクだけを買い替えることはできますか
できます。デロンギ公式FAQは、ゴムパッキン(ガスケット)や破損が原因で水タンクから漏れている場合、公式オンラインショップで新しい給水タンクを購入するよう案内しています。
カス受けの水はどのくらいの頻度で捨てればいいですか
取扱説明書は、カス受けのカスを捨てる作業を「毎日のお手入れ」に入れています(マグニフィカS 30ページ)。お手入れ後、最初の抽出から約72時間たつと、衛生のためにカス受けの表示が出る仕組みもあります(マグニフィカS 40ページ、ディナミカ 32ページ)。カスを捨てるついでに、たまった水も捨てるのがいちばん手間がかかりません。
→ディナミカの「カスウケヲ カラニスル」が消えない!72時間ルールと10秒待つ理由
引っ越しや長期保管の前にやることはありますか
デロンギ公式FAQに「マシン内部の水抜き方法」があり、凍結による破損を防ぐために、長期保管の際は内部の水を抜くよう案内しています。手順は機種のシリーズごとに分かれているので、お持ちの型番のページを確認してください。水抜きをしたあとは、使う前に空気抜きが必要です。
まとめ:デロンギの水漏れは「場所」と「抽出量」で見分けて解決
デロンギの全自動マシンでカス受けやトレイに水がたまるのは、内部を洗うための排水で、多くは正常です。電源をこまめに切る、豆を細かく挽く、除石灰をした、スチームを使った。こうした場面では水の量が増えることも、公式FAQと取扱説明書に書かれています。
修理が必要なのは、コーヒーの抽出中にトレイ側へ漏れるとき、水タンクを奥まで差し込んでも差し込み部から漏れるとき、本体の下から水が出るときの3つです。迷ったら「抽出量が減っていないか」を確かめ、本体の下が濡れていたら使うのをやめる。この2つを守れば、漏れているのに使い続けたり、正常な排水で修理に出したりする失敗は防げます。
修理か買い替えかで迷ったら、寿命と修理費の考え方を整理した記事もあわせて読んでみてください。