


- 1日の終わりにお手入れするのは、トレイまわり・水タンク・抽出口・本体内部・フロッサーの5カ所(取扱説明書p.24〜26)
- カス受けを引き出すときだけは電源を入れたまま。抽出杯数を自動でカウントしているため(p.25)
- 抽出口と本体内部は水洗いできない。固く絞った濡れ布巾・爪楊枝・付属のクリーニングブラシで落とす(p.26)
- 牛乳を泡立てた日は、フロッサーとスチームノズルを毎回洗う。衛生のためと書かれています(p.18)
この記事は、デロンギ ディナミカ ECAM35035Wの取扱説明書(2019年6月版)のお手入れの章を、やる順番に並べ直したものです。手順のひとつずつに説明書のページ番号を付けました。手元に説明書がなくても、この記事だけで1日の終わりのお手入れが終わります。
ディナミカの掃除は「1日の終わり」「1カ月に1回」「必要なとき」の3つに分かれている
取扱説明書p.24は、お手入れを頻度で3つに分けています。まずこの地図を頭に入れておくと、毎日やることと、そうでないことを混同しなくなります。
| 頻度 | 対象 | 説明書のページ |
|---|---|---|
| 1日の終わり | カス受け/カップ受け/トレイ(内側・外側)/水滴受け/抽出口/本体内部/水タンク/スチーム管 | p.25、p.26 |
| 1カ月に1回 | 抽出ユニット/豆ホッパー/パウダー投入口 | p.27 |
| 必要なとき | 本体内部(石灰の除去・手動内部洗浄) | p.28、p.29 |
1週間以上使わなかったときは、1カ月に1回のお手入れと同じことをする決まりです(p.24)。旅行や帰省から戻った日は、抽出ユニットまで外して洗う日だと考えてください。
電源の入切で走る自動内部洗浄は、水経路を流しているだけ
ディナミカは電源を入れたときと切ったときに、自動で内部洗浄をします。ただし説明書の書き方は明快で、洗われるのは本体内部の水経路です(p.11)。抽出口から出てくるお湯は、その水経路を通った水が出口から落ちているものです。
コーヒー1杯も抽出せずに電源を切った場合は、自動内部洗浄は動きません。また、本体が温まっているときは洗浄されないことがあります。どちらも説明書に明記された仕様です(p.11)。つまり自動内部洗浄は、手作業のお手入れを肩代わりしてくれる機能ではありません。
準備するもの5点は、ほとんど台所にある
p.24の「準備するもの」に挙がっているのは次の5点です。買い足しが必要なのは除石灰剤くらいで、あとは家にあるもので足ります。
| 道具 | 使う場所 |
|---|---|
| 付属のクリーニングブラシ | 本体内部、パウダー投入口 |
| 布巾 | 抽出口、本体内部、豆ホッパー、フロッサー |
| キッチン用除菌スプレー | トレイまわり |
| 先の柔らかいブラシ | 細かい部分 |
| 爪楊枝 | 抽出口の詰まり、スチームノズルの穴と溝 |
コーヒーマシン用除石灰剤も同じ欄に載っていますが、これは「必要なとき」の道具です。液晶に表示が出てから使うもので、毎日は使いません。詳しくはこの記事の後半で説明します。


始める前に守ること。ここを外すと故障につながる
p.25の冒頭に、お手入れ全体にかかる注意が3行だけ書かれています。地味な3行ですが、守らないと本体を傷めます。
| 守ること | 理由(説明書の記載) |
|---|---|
| 特に指示がない限り、電源を切り、本体背面の主電源スイッチも切ってから行う | お手入れ全体の前提(p.25) |
| 各部が冷えてから行う | やけど、けがの原因 |
| 本体や電源プラグ・コードに水をかけない | 火災、感電の原因 |
使ってはいけないものも決まっています。ベンジン、シンナー、アルコール、研磨剤、漂白剤は傷と変色の原因。たわし類とメラミンスポンジは傷の原因。食器洗い機と食器乾燥機は変形の原因(p.25)。メラミンスポンジは水だけで汚れが落ちるので油断しがちですが、対象外です。
ひとつだけ例外があります。カス受けを引き出すときは、電源を入れたまま。次で説明します。

1日の終わりにやる5カ所の手順
ここからが本題です。順番はp.25からp.26の並びに合わせました。上から順にやれば手戻りがありません。
1カ所目。トレイ、カップ受け、カス受け、水滴受け
ここだけ電源の扱いが特殊です。説明書の手順は4つ。
| 手順 | やること | 電源 |
|---|---|---|
| 1 | トレイを引き出す | 入れたまま |
| 2 | カス受けのカスを捨てて、本体にトレイごと戻す | 入れたまま |
| 3 | 電源を切り、本体からトレイを引き出してそれぞれ水洗いする | 切る |
| 4 | 乾いたら本体に戻す | 切ったまま |
手順1で電源を入れたままにする理由が、説明書にはっきり書かれています。抽出杯数を自動でカウントしているため、必ず電源が入っている状態でカス受けを取り外す(p.25)。電源を切った状態で捨てると、マシン側のカウントが進みません。その結果が、あとで出てくる「カスウケヲ カラニスル」が消えないという症状です。
カス受けは満杯になるまで待たなくて構いません。「カスウケヲカラニスル」と表示されたら、量にかかわらず捨てるのが正しい使い方です(p.25)。
注意点がひとつ。カス受け背面の突起が破損すると、カス受けが認識されなくなります(p.25)。流しの中で他の食器とぶつけないように、単体で洗ってください。
2カ所目。水タンク
タンクの水を入れ替えるだけ、ではありません。説明書の手順は洗う工程を含みます。
| 手順 | やること |
|---|---|
| 1 | 水タンクを取り外し、新しい水を入れる |
| 2 | 軽く振って中を洗い、水を捨てる |
| 3 | 外側の水分を抜き取り、乾いたら本体に戻す |
ここも破損に注意する箇所が3つ挙がっています。背面の給水口が壊れると水漏れの原因。背面の突起が壊れるとタンクが認識されない原因。タンク内の部品が外れると動作不良の原因(p.25)。タンクの中に手を突っ込んでゴシゴシ洗う必要はない、と読み替えてよい記述です。
3カ所目。抽出口は水洗いできない
固く絞った濡れ布巾で拭きます。詰まっている場合は爪楊枝などで取り除きます(p.26)。水洗いできない、と説明書に明記されている箇所なので、外して流しに持っていかないでください。
コーヒーが片方の抽出口からしか出てこないときの原因としても、抽出口の詰まりが挙がっています(p.32)。毎日拭いておくと、この症状を予防できます。
4カ所目。本体内部も水洗いできない
本体内部に落ちたコーヒー粉は、付属のクリーニングブラシか、固く絞った濡れ布巾で取り除きます(p.26)。ここも水洗い禁止です。
粉が飛び散りやすいのは、電源が「切」のときにコーヒー粉を投入してしまった場合。説明書は、この場合は本体内部と抽出ユニットのお手入れをしてから抽出し直すように書いています(p.32)。粉で淹れる日は、電源を入れてから投入してください。
5カ所目。フロッサーとスチームノズル
牛乳を泡立てた日だけの作業です。水洗いと乾燥ができる部品なので、外して洗います。
| 手順 | やること |
|---|---|
| 1 | フロッサーを反時計回りに回し、フロッサー、スチームノズルの順に下に引っ張って外す |
| 2 | フロッサーとスチームノズルを水洗いする。穴や溝のよごれは爪楊枝など先の細いもので取り除く |
| 3 | スチームノズルを取り付ける |
| 4 | フロッサーを取り付け、しっかり差し込んでから時計回りに回して固定する |
ここで最も注意したいのがOリングです。スチーム管のOリングを破損・紛失しないこと、と説明書は念を押しています(p.26)。そして万一Oリングが破損または欠損すると、フォームミルクがうまくできない原因になり、対処は相談窓口への連絡になります(p.32)。自分で直せない部品なので、外した部品は排水口のない場所で扱ってください。
牛乳を泡立てたら毎回。スチームを10秒出す洗浄
p.18には、分解する前の段階のお手入れがもうひとつ載っています。牛乳のカスのこびり付きと、スチームノズルの詰まりを防ぐための手順です。衛生のため、牛乳を泡立てたら毎回必ず洗浄してください、と書かれています。
| 手順 | やること |
|---|---|
| 1 | 洗ったミルクジャグに半分ほど水を入れる |
| 2 | ミルクジャグにフロッサーを浸けて、ドリンクメニューボタンを押す |
| 3 | ▼または▲で「スチーム」を選択し、OKボタンを押して確定する |
| 4 | スチームを約10秒間出したら、▲またはOKボタンを押す |
| 5 | フロッサーを布巾で拭く |
ボタンの名前は取扱説明書p.8のコントロールパネルの表記に合わせています。ドリンクメニューボタンからスチームを選ぶ、という流れは、カプチーノを作るときと同じ操作です。
泡立ちが悪いときの原因としても、フロッサーとスチームノズルの目詰まりが挙がっています(p.32)。毎回やる意味は衛生面だけではありません。


「カスウケヲ カラニスル」が消えないときは、原因が2つある
日常のお手入れで最もつまずきやすいのがここです。捨てたのに表示が消えない。説明書p.32は、原因を2つに分けています。
| 症状 | 考えられる原因 | 対処 |
|---|---|---|
| カス受けをお手入れしても表示が消えない | カスを捨ててからすぐに戻した | 10秒程度待ってから取り付ける |
| 電源を入れた後に表示される | お手入れ後、最初の抽出から72時間以上が経過した | カス受けをお手入れする |
下の行が知られていない仕様です。衛生のため、お手入れ後の最初の抽出から約72時間後に「カスウケヲ カラニスル」が表示されます(p.32)。カスが溜まっていなくても出ます。故障ではありません。
そして、この72時間のカウントは本体背面の主電源スイッチを「切」にするとリセットされます(p.32)。1日の終わりに主電源まで切る習慣がある人は、そもそもこの表示に出会いません。逆に主電源を入れっぱなしにしていると、3日目に必ず出ます。
液晶に出る表示の意味は、説明書p.30に一覧があります。「カスウケヲ セットスル」のほうが出た場合は取り付け位置の問題で、背面下部の突起の破損も確認する、と書かれています(p.30)。


日常のお手入れでは落とせない汚れが2つある
ここまでの5カ所を毎日やっていても、落ちない汚れが2つ残ります。どちらも頻度が違うだけで、放置すると故障につながる点は同じです。
1カ月に1回の抽出ユニット
抽出ユニットは取り外して流水で洗います(p.27)。ここで守ることが3つ。洗剤を使わない、食器洗い機で洗わない、水に浸けない。いずれも故障の原因と書かれています。
もうひとつ、フィルターや伸縮部に塗布されたグリースは食品機械用潤滑剤なので、完全には洗い流さないでください(p.27)。ピカピカにするのが正解ではない、という点で日常のお手入れとは考え方が違います。
取り外せるのは電源が「切」のときだけです。電源が入ったまま引き抜こうとして外れない、という相談は説明書にも載っていて、無理に外すと故障の原因になります(p.32)。
取り外し方から月1回の水洗いの手順、グリースを塗るタイミングまでは、ディナミカの抽出ユニットは月1回水洗い!グリースを塗るタイミングと手順にまとめてあります。
必要なときの石灰の除去
水道水のミネラル分は、布巾では落とせません。液晶に「ジョセッカイ」と表示されたら、専用の除石灰剤を使った除去作業に入ります。所要時間は説明書の表示で約45分です(p.30)。
使うのはデロンギ純正の除石灰剤です。他の薬剤で代用する手順は説明書にありません。
手順は45分のあいだにすすぎを何度も挟むため、この記事とは別にまとめてあります。ディナミカの除石灰のやり方と45分の全手順で、液晶の表示と手順を対応させた表を用意しました。表示が出る前に読んでおくと当日あわてません。
まとめ:ディナミカの掃除は「電源を入れたままカス受けを抜く」から始まる
やることを最後にもう一度並べます。
- 電源を入れたままトレイを引き出し、カスを捨てて一度戻す(抽出杯数のカウントのため)
- 電源を切ってから、トレイ・カップ受け・カス受け・水滴受けを水洗いして乾かす
- 水タンクは新しい水で中を洗ってから戻す
- 抽出口と本体内部は水洗いせず、濡れ布巾・爪楊枝・クリーニングブラシで落とす
- 牛乳を泡立てた日は、スチームを約10秒出してからフロッサーとスチームノズルを外して洗う
- 1カ月に1回は抽出ユニット、液晶に表示が出たら石灰の除去
毎日の分は、5カ所とも水洗いか拭き取りだけで終わります。手順を覚えるより、カス受けを抜くときだけ電源を入れておく、という1点を体に入れてしまうほうが早いです。
買ったばかりで電源の入れ方から確認したい場合は、デロンギ ディナミカの使い方と初回の空気抜きから1杯目までの全手順をどうぞ。マグニフィカSとの違いや、ディナミカを選ぶ基準そのものを確かめたい場合は、ディナミカとマグニフィカSの違いと6万円の価格差を回収できる人にまとめてあります。

