


- 不快な酸っぱさの正体は「抽出不足(アンダーエクストラクション)」
- コーヒーの味は「酸味→甘み→苦味」の順で溶け出す
- 解決策は「細かく挽く」「湯温を上げる」「時間を伸ばす」の3つ
せっかく美味しいコーヒー豆を買ってきたのに、いざ家で淹れてみたら「レモン汁のように酸っぱくて飲めない」という経験、ありませんか?
「酸味が苦手だから深煎りを選んだのに、それでも酸っぱい」
「お店で飲んだ時はフルーティーだったのに、家だとただの刺激的な酸味になる」
実はこれ、多くの初心者が最初にぶつかる壁なんです。
結論から言うと、皆さんが感じているその不快な酸っぱさの9割は、豆の品質ではなく「抽出不足(アンダーエクストラクション)」という現象が原因です。
コーヒーの成分は、お湯に触れることで溶け出しますが、その「溶け出す量」が足りていないと、本来の甘みや苦味が出る前に抽出が終わってしまい、酸味だけが際立った液体になってしまうのです。
でも安心してください。このメカニズムさえ理解してしまえば、簡単な調整だけで、その酸っぱさを「驚くほど甘いコーヒー」に変えることができます。
今回は、なぜコーヒーが酸っぱくなってしまうのかという科学的な理由と、今日からすぐに実践できる具体的な解決テクニックを徹底解説します。
コーヒーが酸っぱい原因の9割は「抽出不足」にある

【Project 369】
嫌な「酸っぱさ」と美味しい「酸味」の決定的な違い
まず最初に理解しておきたいのは、コーヒーにおける「悪い酸っぱさ」と「良い酸味」は全く別物だということです。
なぜなら、プロが評価する「酸味(Acidity)」とは、フルーツのような爽やかさや華やかさを指す言葉であり、皆さんが苦手とする「酸っぱさ(Sourness)」とは明確に区別されているからです。
例えば、完熟したミカンのような甘酸っぱさは「心地よい酸味」ですが、未熟なレモンをかじったような、舌を刺すような刺激や、喉にイガイガ残る感覚は「不快な酸っぱさ(Sourness)」に分類されます。
この不快な酸っぱさが生まれる最大の原因こそが、冒頭でもお伝えした「抽出不足」です。
確かに、「そもそも酸味が嫌いだから、酸味自体を消したい」という方もいるでしょう。
しかし、コーヒーが本来持っている甘みや苦味の成分さえしっかり引き出せていれば、酸味は他の味と調和して「コク」の一部になります。
つまり、単体で悪目立ちしている酸っぱさは、まだコーヒーのポテンシャルを引き出しきれていない「生煮えの状態」だと言えるのです。
味が溶け出す順番は「酸→甘→苦」の法則
コーヒーが酸っぱくなる物理的な理由は、成分が溶け出す「順番」にあります。
実はお湯を注いだ時、コーヒーの成分はすべて同時に溶け出すわけではなく、「酸味」→「甘み」→「苦味・コク」という決まった順序で抽出されていくのです。
例えば、ハンドドリップでお湯を注ぎ始めてからの前半部分は酸味成分が多く、中盤で甘みが出て、後半にお湯に溶けにくい苦味や油分が出てきます。
もし、何らかの原因で抽出が早すぎたり、成分を出し切れないままドリップを終えてしまったらどうなるでしょうか?
甘みや苦味が出てくる前に抽出が終わってしまい、カップの中には最初に出てきた「酸味」だけが残ることになります。
「酸味を消そうと思ってサッと淹れて終わらせた」という話をよく聞きますが、これは逆効果です。
むしろ、じっくり成分を引き出して「甘み」や「苦味」を酸味の上に被せてあげることで、バランスの取れた美味しいコーヒーになるのです。
時間経過による「酸化」と味の変化
淹れたては美味しかったのに、冷めてくると急激に酸っぱくなる、という経験はありませんか?
これは抽出不足とは別の問題で、空気に触れることによる「酸化」という化学変化が原因です。
例えば、切ったリンゴが茶色く変色するように、コーヒーの液体も時間が経つにつれて酸素と反応し、成分が変化して嫌な酸味(キナ酸など)が増加してしまいます。
確かに、良質なスペシャルティコーヒーの中には「冷めるとよりフルーツ感が増して美味しい」と評価されるものもあります。
しかし、一般的なコーヒーにおいて、時間の経過とともに生じる酸っぱさは、劣化による「酸化臭」を伴うことが多く、あまり好ましいものではありません。
この場合は淹れ方どうこうではなく、「淹れたら早めに飲み切る」あるいは「空気に触れにくいサーバーを使う」といった対策が有効です。
コーヒーが酸っぱい原因を解消!3つの調整テクニック

【Project 369】
1. 挽き目を「細かく」調整して成分を出し切る
ここからは、抽出不足による酸っぱさを解消する具体的なテクニックを解説します。
最も効果的で、かつプロも最初に行う調整が「豆の挽き目(メッシュ)を細かくする」ことです。
なぜなら、コーヒー粉を細かくすることで、お湯と接する表面積が増え、成分がお湯に溶け出しやすくなるからです。
例えば、大きな氷よりも、砕いたクラッシュアイスの方がすぐに水に溶けますよね。コーヒーも同じで、粉が細かいほど、短時間で「酸味」の次の段階である「甘み」や「苦味」までスムーズに引き出すことができます。
ここでよくある失敗が、「酸っぱいから、あっさりさせようと思って粗挽きにした」というケースです。
これをやってしまうと、成分がさらに出にくくなり、甘みも苦味も出ない「薄くて酸っぱいだけのコーヒー」という最悪の結果になりかねません。
「苦くなるのが怖い」という心配もあるかもしれませんが、まずは今の設定よりも少しだけ細かく挽いてみてください。
それだけで酸味が甘みに変わり、驚くほどまろやかになるはずです。
💡 挽き目の微調整ができるミルを使っていますか?
安価なミルだと微調整ができず、酸味のコントロールが難しくなります。
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2. 湯温を90℃以上に上げて甘みを引き出す
挽き目を変えずに今すぐできる対策として、「お湯の温度を上げる」という方法も非常に有効です。
コーヒーの成分は、温度が高いほど溶け出しやすく、低いほど溶け出しにくいという性質があるからです。
特に、酸味成分は低温でも溶け出しやすい反面、甘みや苦味の成分は高温でないとなかなか抽出されません。
もし今、80℃〜85℃くらいの低温で淹れていて「酸っぱい」と感じているなら、それは温度が低すぎて酸味しか引き出せていない可能性があります。
一度、沸騰直後くらいの90℃〜93℃のお湯でドリップしてみてください。
「高温だと雑味が出るのでは?」と言われることもありますが、酸っぱくて飲めない状態よりは、高温でしっかり味を出し切った方が、コーヒー本来のボディ感や甘みを感じられます。
温度計がない場合でも、沸騰してボコボコが収まった直後くらいを目安に注げばOKです。
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「高い専用温度計が必要?」と思われがちですが、実は1,000円台で買えるタニタの料理用スティック温度計(TT-583)が最強です。
防水で丸洗いOK。反応が速く「90℃」を一瞬で測れるので、これ一本あれば感覚頼りの失敗から卒業できます。
3. 抽出時間をコントロールしてバランスを整える
3つ目のポイントは「抽出時間」です。
お湯がコーヒー粉に触れている時間を長くすることで、後半に出てくる甘みや苦味をしっかり回収することができます。
抽出時間が短いと、先ほど説明した「酸→甘→苦」のサイクルの最初の方、つまり酸味ゾーンだけで抽出が終わってしまうからです。
具体的には、お湯を注ぐスピードをゆっくりにするか、注ぎ終わった後にドリッパー内のお湯が落ち切るのをしっかり待つようにしましょう。
目安として、トータルの抽出時間が2分を切っているようなら早すぎます。3分前後を目指してゆっくり淹れてみてください。
【最終手段】どうしても酸っぱいなら「酸味の少ない豆」に変える
ここまで「淹れ方」の話をしてきましたが、最後に確認してほしいのが「豆選び」です。
どれだけ上手に抽出しても、豆そのものが強烈な酸味を持っている場合(浅煎りなど)は、調整にも限界があります。
「テクニックとか面倒くさい!とにかく酸っぱくないコーヒーが飲みたい!」
そんな方は、迷わず「中深煎り(シティロースト)」以上の、コク重視の豆を選んでください。
特に、以下の豆は「酸味が少なく、甘みが強い」ため、酸っぱいコーヒーに疲れた方の救世主になります。
☕ 酸味が苦手な人のための「正解」豆
楽天で大人気の「澤井珈琲 やくもブレンド」は、しっかりとしたコクと甘みがあり、嫌な酸味がほとんどありません。
ミルクとの相性も抜群なので、これを選べば間違いありません。
まとめ:酸っぱさはコントロールできる
不快な酸っぱさは「抽出不足」のサイン!
- 酸っぱい原因の9割は、甘みと苦味が出る前に抽出が終わっているから
- 挽き目を「細かく」して、成分を溶け出しやすくする
- 湯温を「90℃以上」に上げて、甘みとコクを引き出す
- 抽出時間を「長く」して、味のバランスを整える
- それでもダメなら「深煎り」の豆(澤井珈琲など)に変える
初心者はまず「温度を上げる」ことから試してみてください。それだけで味が劇的に変わるはずです!