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コーヒー サイフォン式の魅力|基本と淹れ方ガイド

Emi
Emi
baristaKさん!喫茶店にある理科の実験みたいな器具、サイフォン式コーヒーって憧れます!あの原理や仕組みってどうなってるんですか?

Ryu
Ryu
見た目は格好いいけど、結局ドリップとどっちが美味しいの? まずいって話も聞くし、メリット・デメリットを知らないと導入しにくいよな…。
baristaK
baristaK
ふたりの疑問、よくわかります。サイフォンは魅力と不安が隣り合わせの器具ですよね。今回は特定器具の『実機レビュー』ではなく、私の『100以上試した経験』から、サイフォン式の理論美味しい淹れ方の手順まずい時の原因まで、専門家として徹底的に『分析・解説』します!
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【Project 369】

コーヒー サイフォン式での抽出に興味を持つと、まず「サイフォン式コーヒーとは何ですか?」という基本的な疑問が浮かびますよね。喫茶店で見かけるあの独特な器具の、サイフォン式 原理と仕組みについて知りたくなるのは当然のことです。また、定番のドリップ式とサイフォン式の違いは何ですか?という比較や、結局サイフォンとドリップ どっちが美味しいのか、といった素朴な疑問も湧いてくるでしょう。コーヒー サイフォン式の基本知識として、サイフォン式コーヒーのメリット・デメリットは?を把握しておくことも大切です。

この記事では、そうした基本情報に加えて、コーヒー サイフォン式の実践ガイドとして、具体的なサイフォンコーヒー 入れ方の手順を詳しく解説します。さらに、せっかく挑戦したのにサイフォンコーヒー まずい時の原因と、その解決策も掘り下げていきます。これから始めたい方のために、おすすめのサイフォン式コーヒーメーカーや、手軽なサイフォンコーヒー 電気式モデルも紹介し、奥深く魅力的なコーヒー サイフォン式の世界へとご案内します。

  • サイフォン式の基本原理とドリップ式との明確な違い
  • サイフォンで淹れるコーヒーの味の特徴(メリット・デメリット)
  • 初心者でも失敗しない、美味しい淹れ方の具体的な手順
  • 熱源別のおすすめサイフォンメーカーと電気式モデルの特徴

コーヒー サイフォン式の基本知識

  • サイフォン式コーヒーとは何ですか?
  • サイフォン式 原理と仕組み
  • ドリップ式とサイフォン式の違いは何ですか?
  • サイフォンとドリップ どっちが美味しいか
  • サイフォン式コーヒーのメリット・デメリットは?

サイフォン式コーヒーとは何ですか?

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【Project 369】

サイフォン式コーヒーとは、蒸気圧を利用してコーヒーを抽出する器具、またはその抽出方法そのものを指します。理科の実験器具を思わせる独特の形状(上下に分かれたガラス器具)が特徴で、古くからの喫茶店などで見かけることも多いため、ノスタルジックなイメージを持つ方も多いでしょう。

抽出方法の分類としては「浸漬法(しんしほう)」にあたります。これは、お湯とコーヒー粉を一定時間一緒に浸しておく方法で、フレンチプレスなどと同じ分類です。具体的には、フラスコ(下部の丸いガラス)で沸かしたお湯が、蒸気圧によってロート(上部のガラス)へ移動し、そこでコーヒー粉と混ざり合います。一定時間(浸漬時間)が経過した後、加熱をやめるとフラスコ内の圧力が下がり、抽出されたコーヒー液だけがフィルターを通って下のフラスコに戻る、という非常にドラマチックな仕組みです。

この浸漬法により、コーヒー豆の個性(特に香り)を豊かに引き出しつつ、抽出時間や温度が管理しやすいため味がブレにくいというメリットがあります。見た目の楽しさだけでなく、味の再現性においても優れた抽出方法です。

補足:サイフォンの歴史

サイフォンの原型は19世紀のヨーロッパで発明されたと言われています。その後、日本で独自の進化を遂げ、喫茶店文化とともに広く普及しました。現在でも、その抽出過程の美しさから国内外で根強い人気があります。

サイフォン式 原理と仕組み

「サイフォン」という名前がついていますが、厳密には「サイフォンの原理(高低差を利用して液体を移動させる)」とは異なります。サイフォン式コーヒーは、「蒸気圧による加圧」と「冷却による減圧(大気圧との差)」を利用した仕組みでコーヒーを抽出します。

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【Project 369】

この一連の流れは、物理の法則に基づいた非常に合理的なものです。基本的な流れを3つのステップで解説します。

1. お湯の上昇(加圧)

フラスコ(下)の水をアルコールランプやヒーターなどで加熱します。水が沸騰すると水蒸気が発生し、密閉されたフラスコ内の空間を水蒸気が満たします。この水蒸気の膨張(蒸気圧)がフラスコ内の熱湯を押し上げ、細い管を通って上のロートへと移動させます。

2. 抽出(浸漬)

ロートに上がった熱湯は、あらかじめセットしておいたコーヒー粉と混ざり合います。この状態で竹べらなどを使って攪拌(かくはん)し、粉全体をお湯に馴染ませます。このまま一定時間(通常40秒~1分程度)浸漬させ、コーヒーの成分をじっくりと抽出します。

3. コーヒー液の下降(減圧)

加熱をやめると(火を消すと)、フラスコ内の加熱が止まります。すると、フラスコを満たしていた水蒸気が急速に冷やされて液体(水)に戻り、フラスコ内の圧力が急激に下がります(真空に近い状態=減圧)。 一方で、ロート側は大気圧に押されています。このフラスコ内とロート側の圧力差によって、ロート内のコーヒー液が大気圧に押される形でフィルターを通過し、下のフラスコへと一気に吸引されます。

この一連の気圧の変化を利用して、コーヒーの「抽出」と「ろ過」を同時に、かつ短時間で行うのがサイフォン式の原理です。

補足:器具の名称

サイフォンは主に、お湯を沸かし抽出されたコーヒー液が戻る「フラスコ」(下ボールとも言います)、コーヒー粉を入れて抽出を行う「ロート」(上ボール)、そしてその間を繋ぐ「ろ過器(フィルター)」で構成されています。

ドリップ式とサイフォン式の違いは何ですか?

コーヒー サイフォン式とドリップ式の最大の違いは、前述の通り、その抽出方法にあります。サイフォン式が「浸漬法(しんしほう)」であるのに対し、私たちが一般的にイメージするハンドドリップは「透過法(とうかほう)」と呼ばれます。

  • 浸漬法(サイフォン): コーヒー粉をお湯に浸して成分を抽出する。粉がお湯に触れ続ける時間が長い。
  • 透過法(ドリップ): コーヒー粉にお湯を通過させて成分を抽出する。新しいお湯が常に供給される。

この根本的な違いが、味や香りの傾向に大きな影響を与えます。以下の表で、両者の特徴を比較してみましょう。

比較項目 コーヒー サイフォン式(浸漬法) ハンドドリップ式(透過法)
抽出原理 蒸気圧を利用し、粉をお湯に浸す 重力を利用し、粉にお湯を通過させる
味の安定性 味がブレにくい(抽出時間が明確なため) 技術(お湯の注ぎ方、温度)により味が変わる
主な風味 クリアでまろやか、香りが立ちやすい コクや甘み、酸味のバランスが取りやすい
コーヒーオイル 多く抽出されやすい(特にネルフィルター) ペーパーフィルターだと吸着されやすい
舌触り オイルにより滑らか、まろやか オイルが少ないためクリーン、すっきり
難易度 器具の扱いやフィルター管理にコツが必要 淹れ方(抽出技術)の習得にコツが必要

どちらが良いというわけではなく、抽出方法の違いによって異なる個性を楽しめるのが、コーヒーの奥深さと言えます。「今日は香りを楽しみたいからサイフォン」「今日はコクを重視してドリップ」といったように、気分で使い分けるのも醍醐味です。

サイフォンとドリップ どっちが美味しいか

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【Project 369】

「サイフォンとドリップ、どっちが美味しいか」という疑問は非常によく聞かれますが、これは最終的には個人の好みに大きく左右されるため、一概に「こちらが上」と結論を出すことはできません。それぞれの抽出方法で「美味しい」と感じるポイントが根本的に異なります。

サイフォン式が美味しく感じる人の特徴

サイフォン式は、高温で一気に抽出し、密閉に近い状態で蒸らすのが特徴です。また、伝統的な布フィルター(ネル)を使うことが多いため、コーヒー豆の持つオイル分(旨味や香りの成分)が余すところなく抽出されます。

この結果、香りが非常に豊かで、口当たりがまろやか、かつクリアな味わいになりやすいです。「すっきりしているのに、鼻に抜ける風味が豊か」なコーヒーが好きな方には、サイフォン式が非常に美味しく感じられるでしょう。

ドリップ式が美味しく感じる人の特徴

ドリップ式(特にペーパードリップ)は、お湯の温度や注ぐスピード、蒸らし時間などを調整することで、味を積極的にコントロールしやすいのが特徴です。ペーパーフィルターがコーヒーオイルを適度に吸着するため、雑味が少なく、豆の持つ甘みや酸味といった風味の輪郭がはっきりとした味わいになります。

しっかりとしたコクと、豆の個性をダイレクトに感じたい」「自分自身で味を追求するプロセスも楽しみたい」という方には、ドリップ式が美味しく感じられる傾向があります。

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「香り」や「まろやかさ」を重視するならサイフォン、「コク」や「味の輪郭」、「抽出の自由度」を重視するならドリップ、といった選び方も一つの方法です。ぜひ両方を飲み比べて、ご自身の好みを見つけてみてください。

サイフォン式コーヒーのメリット・デメリットは?

サイフォン式コーヒーには、他の抽出方法にはないユニークなメリットと、扱う上で知っておくべきデメリット(注意点)が存在します。導入を検討する際は、両方を天秤にかけて判断することが重要です。

サイフォン式のメリット

  1. 演出効果が高く、抽出過程を楽しめる 理科の実験のような独特の見た目、お湯がコポコポと上がっていく様子、コーヒーがフラスコに一気に落ちてくる音など、抽出プロセス全体を五感で楽しめます。来客時のおもてなしとしても最適です。
  2. 香りが非常に豊かに立つ 高温で抽出し、抽出液が空気に触れる時間が短いため、コーヒーの芳醇なアロマ(香り)を最大限に引き出すことができます。淹れている最中から部屋中に良い香りが広がります。
  3. 味がブレにくい(再現性が高い) お湯の温度(ほぼ沸騰)や抽出時間(タイマーで管理)が明確なため、淹れる人による味の差が出にくいです。一度ベストな豆量や時間を見つければ、安定した美味しさを再現しやすいのが強みです。
  4. まろやかな口当たり ネルフィルターを使用する場合、コーヒーオイルが適度に抽出されることで、口当たりが柔らかく、まろやかでリッチな味わいになります。

サイフォン式のデメリット

  1. 器具が高価で、場所を取る ハンドドリップの器具(ドリッパーとサーバー)に比べると、ガラス器具や熱源(アルコールランプやヒーター)など一式の初期費用が高めです。また、スタンドを含めると高さがあり、構造上、保管にもスペースを必要とします。
  2. 準備と後片付けに手間がかかる 器具のセッティング(特にフィルター)、抽出後の高温になったガラス器具の洗浄、フィルターの清掃など、ドリップに比べて工程が多く、時間がかかります。
  3. 器具がデリケートで割れやすい 主要なパーツ(フラスコ、ロート)が耐熱ガラス製のため、取り扱いには細心の注意が必要です。「洗っている最中にぶつけて割ってしまった」というケースは非常に多く、パーツ交換には追加コストがかかります。
  4. フィルターの管理が面倒(ネルフィルターの場合) サイフォンの味の要であるネル(布)フィルターは、非常にデリケートな管理が求められます。使用後は洗剤を使わずに流水で丁寧に洗浄し、清潔な水に浸した状態でタッパーなどに入れ、冷蔵庫で保管する必要があります。これを怠ると、雑菌の繁殖や、布に残った油分の酸化によるひどい匂いの原因となります。

コーヒー サイフォン式の実践ガイド

  • サイフォンコーヒー 入れ方の手順
  • サイフォンコーヒー まずい時の原因
  • おすすめのサイフォン式コーヒーメーカー
  • 手軽なサイフォンコーヒー 電気式モデル
  • 魅力的なコーヒー サイフォン式の世界

サイフォンコーヒー 入れ方の手順

サイフォンコーヒーを美味しく淹れるための基本的な手順とコツを、ステップバイステップで詳しく紹介します。ここでは、最も一般的なアルコールランプとネルフィルター(布フィルター)を使用する場合を例にします。

1. 必要な器具と材料

  • サイフォン一式(ロート、フラスコ、スタンド)
  • ろ過器、ネルフィルター
  • アルコールランプ(または他の熱源)と燃料用アルコール、ライター
  • 竹べら(攪拌用)
  • コーヒー粉(中細挽き~中挽きがおすすめ)
  • お湯(抽出を時短するため、水ではなくお湯を推奨)
  • タイマー
  • 濡れた布巾(火を消す際や、抽出後の冷却に使用する場合)

2. フィルターの準備

使用するネルフィルターは、あらかじめ煮沸して糊(のり)を落とし、水に浸して冷蔵保管しておいたものを使います。ろ過器(金具)にネルフィルターを正しくセットし、チェーン(鎖)のフックをロートの管の先端にしっかりと引っ掛けて固定します。中央にずれないよう確認してください。

3. フラスコにお湯をセット

フラスコに、淹れたい杯数分のお湯を入れます。水から始めると沸騰までに10分以上かかるため、お湯(ケトルで沸かしたものなど)の使用が強く推奨されます。 重要な注意点として、フラスコの表面(特に底)についた水滴は、加熱によるガラス破損の原因になるため、必ず乾いた布で完全に拭き取ってからスタンドにセットします。

4. 加熱とロートのセット

アルコールランプに火をつけ、芯の長さを調整して火力を安定させたら、フラスコの真下にセットします。この時、ロートはフラスコに斜めに差し込んでおき(フックを縁にかける)、フラスコ内のお湯が温まるのを待ちます。ロートを温めておく意味もあります。

5. お湯の上昇とコーヒー粉の投入

フラスコ内のお湯が沸騰し、大きな泡が出てきたら、ロートをまっすぐ(最後まで)差し込みます。フラスコ内の蒸気圧でお湯がロートへと上がっていきます。フラスコ内に少量のお湯が残った状態で、お湯の上昇が落ち着いたら、用意しておいたコーヒー粉をロートに一気に投入します。

注意:お湯が上がりきる前に粉を入れると、粉が均一に混ざらず「ダマ」になる原因になります。また、お湯が上がりきってから粉を入れるまでに時間がかかると、フラスコが空焚きに近い状態になるため、手際よく行う必要があります。

6. 攪拌(かくはん)と抽出

粉を入れたら、すぐにタイマーをスタートさせ、竹べらで優しく攪拌します。粉全体にお湯が浸透するように、竹べらを縦横に動かしたり、軽く円を描いたりして、粉を沈めるように混ぜます。強くかき混ぜすぎないのが最大のコツです。 1回目の攪拌(10秒程度)が終わったら、そのまま浸漬させます。抽出時間の目安は約40秒~1分間です。 (例:45秒設定の場合、30秒経過時点でもう一度軽く攪拌し、45秒で火を消す、など)

7. 加熱停止とコーヒー液の下降

設定した抽出時間が経過したら、アルコールランプの火を(フタを被せて)消し、スタンドから外します。加熱が止まるとフラスコ内の圧力が下がり、ロート内のコーヒー液がフィルターでろ過されながらフラスコへとシュワーという音と共に落ちていきます。

コーヒー液が完全に落ちきったら、ロートの根本を少し傾けて空気を入れながら引き抜きます。これで抽出完了です。

サイフォンコーヒー まずい時の原因

せっかくサイフォンで淹れたコーヒーが「まずい」と感じる場合、いくつかの明確な原因が考えられます。サイフォンは味が安定しやすい反面、いくつかの「やってはいけないこと」をすると、途端に雑味やエグミが出やすくなります。

1. 攪拌(かくはん)のしすぎ

最も多い失敗原因の一つが「攪拌のしすぎ」です。コーヒーを美味しくしようと思うあまり、竹べらでグルグルと強くかき混ぜてしまうと、コーヒーの微粉(細かい粉)から余計な雑味やエグミ、過度な苦味が過剰に抽出されてしまいます。攪拌は、あくまで「粉全体をお湯にムラなく浸透させる」のが目的です。優しく数回、粉を沈める程度に留めましょう。

2. 抽出時間が長すぎる

コーヒー粉をお湯に浸す時間(抽出時間)が長すぎると、美味しい成分だけでなく、不要な成分(渋みやエグミ)まで溶け出してしまいます。抽出時間はタイマーで正確に測り、40秒から1分程度を目安にしてください。時間が10秒変わるだけで、味は大きく変化します。

3. ネルフィルターの管理不足

これは味の失敗において致命的な原因となります。ネルフィルター(布フィルター)の管理は、サイフォンの味を左右する非常に重要な要素です。

ネルフィルターのNG管理

  • 新品の糊(のり)が残っている: 新品のネルは、使用前に必ず15分ほど煮沸して糊を落とす必要があります。これを怠ると、糊臭さがコーヒーに強烈に移ります。
  • 洗剤で洗ってしまった: ネルフィルターは絶対に洗剤で洗ってはいけません。洗剤の匂いが布に残り、コーヒーの風味を完全に台無しにします。洗浄は流水(またはお湯)のみで行います。
  • 乾燥させてしまった: これが最大のNGです。使用後のネルフィルターは、水洗いをしっかりした後、必ず清潔な水に浸して密閉容器に入れ、冷蔵庫で保管します。一度でも乾燥させてしまうと、布に残ったわずかなコーヒーの油分が空気に触れて酸化し、雑巾のようなひどい匂いの原因となります。

4. コーヒー豆の鮮度や挽き方

サイフォンはコーヒーの香りを引き出すのが得意な反面、豆の状態もシビアに反映されます。鮮度の落ちた(酸化した)古い豆を使うと、その不快な香りも強調されてしまいます。できるだけ挽きたての新鮮な豆を使いましょう。(参考:全日本コーヒー商工組合連合会「コーヒーの基礎知識」

また、挽き方が細かすぎると雑味が出やすく、粗すぎると味が薄くなります。中細挽き~中挽きが基本ですが、お使いの豆に合わせて調整してみてください。

おすすめのサイフォン式コーヒーメーカー

サイフォン式コーヒーメーカーを選ぶ際は、まず熱源をどうするかを決める必要があります。熱源によって使い勝手、安全性、そして「雰囲気」が大きく変わってきます。

熱源の種類

家庭で使われる主な熱源は以下の4種類です。それぞれのメリット・デメリットを理解して選びましょう。

熱源 特徴 メリット デメリット
アルコールランプ 伝統的で最も一般的。サイフォンセットに付属していることが多い。 ・炎のゆらぎが楽しめ、最も雰囲気が出る ・初期費用が安い 火力の調整が難しい(ほぼ不可) ・風に弱く火が消えやすい ・アルコールの補充が必要
ガスバーナー カセットコンロ用のガスを充填して使う小型バーナー。 短時間で沸騰できる ・火力調整が自在で安定している ・風にも比較的強い ・ガスの充填が必要 ・炎が強すぎる場合があり調整にコツがいる ・器具が別途必要で高価
ハロゲンヒーター 電気(ハロゲン光)で加熱する据え置き型ヒーター。 安全性が非常に高い(火を使わない) ・火力調整がダイヤルで容易 ・光が美しく、演出効果も高い 器具が非常に高価(数万円~) ・設置に場所を取り、電源が必要
電気式 ヒーター内蔵型のサイフォン。 ・手軽で安全。火を使わない ・コンセントがあればどこでも使える (次項で詳述)

主要メーカーと特徴

家庭用サイフォンでは、日本の耐熱ガラスメーカーであるHARIO(ハリオ)と、サイフォンの老舗であるKONO(コーノ)が二大メーカーとして知られています。

  • HARIO(ハリオ) 「テクニカ」や「モカ」といったシリーズが有名です。比較的リーズナブルなモデルからラインナップされており、交換用パーツ(フラスコやロート単体)の入手が容易なため、初めてサイフォンを購入する方におすすめです。もしガラスを割ってしまってもパーツだけ買い直せる安心感は、大きなメリットと言えます。(参照:HARIO公式サイト「コーヒーサイフォン テクニカ」) ネルフィルターだけでなく、手入れが簡単なペーパーフィルターで代用できるモデル(モカなど)もあります。
  • KONO(コーノ) プロの愛用者も多い老舗メーカーです。クラシカルで美しいデザインが特徴で、細部の作り込みに定評があります。HARIOに比べると価格帯はやや高めですが、「所有する喜び」も満たしてくれる、こだわり派に人気のブランドです。

まずは、アルコールランプがセットになったHARIOの定番モデル「テクニカ」あたりから始めるのが、価格と入手しやすさ、将来的なパーツ交換の利便性を考えると、最もバランスが取れていて良いでしょう。

手軽なサイフォンコーヒー 電気式モデル

「サイフォンは使ってみたいけど、アルコールランプやガスの火を扱うのは不安…」「準備や片付けをもっと手軽にしたい」という方には、電気式(ヒーター式)のサイフォンが非常におすすめです。

これは、スタンドと熱源が一体化した電気ヒーターの上に、専用のフラスコを置いて使用するタイプです。

電気式サイフォンのメリット

  • 火を使わない圧倒的な安全性: 電源さえあればよいため、キッチンやダイニングテーブルで、火事を心配することなく安心して使用できます。
  • 準備と片付けの手軽さ: アルコールの補充やガスの充填、ランプの煤(すす)の掃除といった手間が一切不要です。
  • 安定した加熱: (製品によりますが)安定した電力で加熱できます。

電気式サイフォンのデメリット

  • 火力調整ができないモデルもある: 製品によってはON/OFFのみ、あるいは保温程度の切り替えしかできず、アルコールランプやガスのような微妙な火力調整ができない場合があります。
  • 「炎のゆらぎ」がない: サイフォンの大きな魅力である「炎のゆらぎ」や「雰囲気」といったアナログな演出効果は、直火式に比べて薄れます。
  • コンセントが必要: 設置場所がコンセントの近くに限られます。

代表的な電気式モデル

電気式サイフォンは、安心・安全を求めるニーズに応え、国内の家電メーカーからも魅力的な製品がリリースされています。

  • TWINBIRD(ツインバード) 日本の家電メーカーで、クラシカルなデザインの電気式サイフォンコーヒーメーカー(CM-D854BRなど)を販売しています。ヒーター部分があえてアルコールランプを模したデザインになっているなど、電気式の手軽さとサイフォンらしい雰囲気の両立にこだわっているのが特徴です。
  • HARIO(ハリオ) ハリオからも電気式のモデル(Electric Coffee Syphon)が発売されています。ヒーター部がコンパクトに設計されており、従来のサイフォンのイメージを保ちつつ、安全性と手軽さを両立させています。

安全性と日々の手軽さを最優先するならば、電気式は非常に現実的で有力な選択肢となります。

魅力的なコーヒー サイフォン式の世界

  • コーヒー サイフォン式は蒸気圧と大気圧の差を利用する抽出方法
  • 抽出方法は「浸漬法」と呼ばれコーヒー粉をお湯に浸して成分を引き出す
  • ドリップ式の「透過法」とは異なり味がブレにくいのが特徴
  • 高温で抽出するためコーヒーの香りが非常に豊かに立つ
  • コーヒーオイルが抽出されやすく口当たりがまろやかになる
  • 抽出過程が視覚的に楽しくエンターテイメント性が高い
  • デメリットは器具がデリケート(ガラス製)で割れやすいこと
  • 準備や後片付けに時間がかかりハンドドリップより手間がかかる
  • ネル(布)フィルターは使用後の管理(水中冷蔵保存)が必須
  • まずい原因の多くは攪拌のしすぎや抽出時間が長すぎること
  • ネルフィルターの管理不足(乾燥や洗剤使用)も味を損ねる
  • 淹れ方のコツは中細挽きの新鮮な豆を40秒~1分で抽出すること
  • 熱源にはアルコールランプ、ガスバーナー、ハロゲンヒーターがある
  • HARIOやKONOといったメーカーが有名
  • 火の扱いが不安な人には手軽な電気式サイフォンもおすすめ

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