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エスプレッソとドリップ、どっちが美味しい?味と違いを比較

2025年11月11日

Emi
Emi
カフェラテとカフェオレって何が違うんですか?メニューを見てもよくわからなくて…。

Ryu
Ryu
エスプレッソなんて、量が少なくて苦いだけでしょ?普通のコーヒーの方がお得じゃない?
baristaK
baristaK
その疑問、もっともです。今回は「実機レビュー」ではなく、私の「100以上試した経験」から、エスプレッソとドリップの「物理的な違い」を専門家として徹底的に「分析・解説」します!

💡 3秒でわかる!この記事の結論

  • エスプレッソは「9気圧」で搾り出す濃厚なソース(料理)
  • ドリップは「重力」で濾過するクリアなスープ(素材)
  • カフェイン量は抽出時間の長いドリップの方が多い場合がある

「カフェでなんとなく注文しているけれど、実は違いがよくわからない」という方は非常に多いです。メニューを見ても、エスプレッソ、ドリップ、カフェラテ、カフェオレと似たような名前が並んでいて混乱してしまいますよね。

実は、この二つは単に「濃さが違う」だけではありません。抽出にかかる物理的な力が全く異なるため、出来上がる液体の性質そのものが別物なのです。これを理解すると、自分の好みに合ったコーヒーを選べるようになるだけでなく、自宅でのコーヒータイムが劇的に楽しくなります。

今回は、コーヒー器具を愛してやまない私が、専門的な視点からエスプレッソとドリップの違いをわかりやすく紐解いていきます。これを読めば、明日からのコーヒー選びが間違いなく変わるはずです。


【Project 369】

決定的なエスプレッソとドリップの違いは抽出にかかる「圧力」

結論から申し上げますと、エスプレッソとドリップの最大の違いは、抽出時にかける「圧力の有無」にあります。ここを理解することが、すべての謎を解く鍵となります。

「9気圧」で乳化させる濃厚なソースと「重力」で作るスープ

まず、エスプレッソは「濃厚なソース(料理)」であり、ドリップは「素材を味わうスープ」であるとイメージしてください。

なぜなら、抽出にかかる圧力が桁違いだからです。エスプレッソは専用のマシンを使い、約9気圧という猛烈な圧力をかけてお湯を粉に通過させます。この圧力によって、コーヒー豆に含まれる油分やガスが一気に搾り出され、お湯と混ざり合って「乳化」します。これが、エスプレッソ特有のトロッとした口当たりと、表面に浮かぶ茶色い泡「クレマ」の正体です。一方、ドリップコーヒーにかかるのは1気圧、つまり「重力」のみです。お湯がゆっくりと粉の間を通り抜ける過程で、水に溶けやすい成分だけが穏やかに溶け出します。油分はペーパーフィルターに吸着されるため、出来上がりは透き通ったクリアな液体になります。

例えば、料理で例えるなら、エスプレッソは圧力をかけて旨味を凝縮させた「豚骨ラーメンのスープ」や「デミグラスソース」のようなものです。対してドリップは、素材からじっくり出汁をとった「お吸い物」や「コンソメスープ」と言えるでしょう。同じ食材を使っていても、調理法(抽出法)が違えば、全く別の料理になるのと同じです。

確かに、「どちらもコーヒー豆から抽出しているのだから、単に濃度の違いではないか」と思われるかもしれません。しかし、9気圧という過酷な環境でしか引き出せない「油分の旨味」や「香り」が存在するのは事実です。単にお湯を少なくしてドリップしても、あのとろみのあるエスプレッソにはなりません。この物理的なプロセスの違いこそが、両者の決定的な差なのです。したがって、濃厚なコクとパンチを求めるならエスプレッソ、豆本来の繊細な風味を楽しみたいならドリップを選ぶのが正解です。


【Project 369】

苦いだけは誤解!本場イタリア流は砂糖をたっぷり入れる

「エスプレッソ=罰ゲームのように苦い飲み物」というイメージをお持ちではないでしょうか。実はこれ、本来の飲み方からすると大きな誤解です。

本来のエスプレッソは、砂糖を入れて完成する「デザート」のような飲み物だからです。抽出された直後のエスプレッソは、確かに強烈な苦みと酸味を持っています。しかし、これはあくまで「料理のベース」や「ソース」の状態です。ここに砂糖という調味料を加えることで、苦みがコクに変わり、酸味がフルーティーな甘みに変化します。チョコレートのカカオ100%が苦くて食べられないのと同じで、適切な甘味を足すことで初めて完成された味わいになるのです。

実際、エスプレッソの本場イタリアでは、バール(立ち飲みカフェ)で砂糖を山ほど入れて飲むのが常識です。カップの底に砂糖が残るくらい大量に入れ、最後にスプーンですくって食べるのを楽しみにしている人も多いほどです。「ブラックで飲むのが通」という文化は、実は日本や一部の国独自の感覚と言えるかもしれません。

もちろん、「コーヒーはブラックに限る」というこだわりを否定するつもりはありませんし、上質な豆であれば砂糖なしでも楽しめます。ただ、もし今まで「苦いから嫌い」と避けていたのであれば、それは非常にもったいないことです。ぜひ一度、勇気を出して砂糖をたっぷりと入れ、よくかき混ぜて飲んでみてください。まるで高級なビターチョコレートのような、芳醇な甘みとコクに驚かされるはずです。

コーヒーに砂糖を注いでいる
【Project 369】

意外な真実?カフェイン量は抽出時間の長い方が多くなる

「エスプレッソは味が濃いから、カフェインも強烈に多いはず」と思っていませんか?実は、1杯あたりのカフェイン量で比べると、ドリップコーヒーの方が多くなるケースが一般的です。

これは、カフェインがお湯に溶け出す性質と「抽出時間」の関係に理由があります。カフェインは、お湯に触れている時間が長ければ長いほど、多く溶け出します。エスプレッソは高圧で一気に抽出するため、お湯が豆に触れている時間はわずか20秒~30秒程度です。対してドリップコーヒーは、2分~4分ほどかけてゆっくりとお湯を透過させます。この時間の差が、カフェインの総量に大きく影響するのです。

具体例を挙げると、一般的なドリップコーヒー1杯(約150ml~200ml)には約100mg前後のカフェインが含まれると言われています。一方、エスプレッソ1杯(シングルショット約30ml)のカフェイン量は約60mg前後です。一度に飲む量(液量)の違いも含めて考えると、マグカップで飲むドリップコーヒーの方が、結果的に多くのカフェインを摂取することになります。

「でも、飲んだ時のガツンとくる覚醒感はエスプレッソの方が上では?」という疑問もあるでしょう。確かに、濃度が高いため口に含んだ瞬間の刺激は強いですし、吸収も早いため「目が覚める」感覚は鋭いかもしれません。しかし、摂取するカフェインの「総量」で見れば、ドリップの方が上回ることが多いのです。夜遅くにコーヒーを飲む場合や、カフェインの摂取量を気にされる方は、この「抽出時間と量」のマジックを覚えておくと良いでしょう。

エスプレッソとドリップの違いを知って自宅カフェを格上げする

両者の違いがわかれば、自宅での楽しみ方も広がります。お店のメニュー選びだけでなく、おうちカフェを充実させるための知識を深めていきましょう。

「カフェラテ」と「カフェオレ」はベースが別物

カフェメニューで最も混同されやすい「カフェラテ」と「カフェオレ」。この違いは、ベースとなるコーヒーがエスプレッソかドリップかにあります。

カフェラテ(Caffè Latte)はイタリア語で「コーヒー・牛乳」を意味し、エスプレッソにスチームミルク(蒸気で温めた牛乳)を加えたものです。エスプレッソの濃厚なコクとミルクの甘みが融合し、リッチな味わいになります。一方、カフェオレ(Café au Lait)はフランス語で、ドリップコーヒーに温めた牛乳を加えたものです。こちらは苦みが少なく、さっぱりとした優しい味わいが特徴です。

例えば、朝食のクロワッサンと一緒に大きなボウルで飲むのがフランス流のカフェオレ、食後のデザートや午後の休憩に楽しむのがイタリア流のカフェラテといったイメージです。最近のカフェチェーンではカフェラテが主流ですが、昔ながらの喫茶店ではカフェオレが定番だったりします。

「牛乳が入っていればどちらでも同じ」と思われるかもしれませんが、ベースのコーヒーの濃さが全く違うため、ミルクとのバランスも変わってきます。濃厚なミルク感を楽しみたいならカフェラテ、コーヒーの風味を優しく味わいたいならカフェオレを選ぶのがおすすめです。

カフェオレとカフェラテの違いを説明したインフォグラフィックス
【Project 369】

本格的な味を求めるなら専用マシン「スティローザ」

もし自宅で「本物のカフェラテ」や「濃厚なエスプレッソ」を楽しみたいのであれば、やはり専用のエスプレッソマシンが必要です。ドリップ用の器具でいくら濃く淹れても、圧力がかかっていないため、あの味にはなりません。

そこでおすすめしたいのが、デロンギ(De'Longhi)の「スティローザ」です。エスプレッソマシンは数万円から数十万円する高価なものが多い中、このモデルはエントリークラスでありながら、業務用のマシンと同じポンプ式でしっかりと圧力をかけられます。家庭用マシンとして必要な機能が凝縮されており、ミルクを泡立てるスチームノズルも付いているため、これ一台で本格的なラテアートにも挑戦できます。

例えば、毎朝コンビニでカフェラテを買っているとします。1杯200円だとしても、月に6,000円、年間で72,000円です。スティローザがあれば、豆代を含めてもかなりコストを抑えられますし、何より「自宅で豆から挽いてエスプレッソを淹れる」という体験そのものが、生活の質を一段階上げてくれます。

「マシンの手入れが大変そう」という懸念もあるでしょう。確かにドリップよりは手間がかかりますが、スティローザは構造がシンプルなので、慣れれば日常のルーティンとして無理なく続けられます。本気でおうちカフェを充実させたいなら、投資する価値は十分にあります。

濃厚なコクを手軽に楽しむなら直火式「マキネッタ」

「マシンを置く場所がない」「もっと低予算で濃いコーヒーが飲みたい」という方には、直火式エスプレッソメーカー、通称「マキネッタ」が最適です。

厳密に言うと、マキネッタで抽出されるコーヒーは「モカ」と呼ばれ、マシンで淹れる「エスプレッソ(9気圧)」とは別物です。マキネッタの圧力は2気圧程度なので、濃厚なクレマはできません。しかし、ドリップコーヒーよりもはるかに濃く、パンチのあるコーヒーを抽出できるため、ミルクと合わせてカフェラテ風にするには十分な力を持っています。

イタリアの家庭には必ず一台はあると言われるほどポピュラーな器具で、ビアレッティ(BIALETTI)社の「モカエキスプレス」がその代名詞です。使い方は簡単で、水と粉をセットしてコンロの火にかけるだけ。数分待つと、コポコポという音と共に香り高いコーヒーが湧き上がってきます。このアナログな時間が、何とも言えない愛着を生むのです。

確かに、お店のような滑らかなエスプレッソにはなりません。ですが、数千円という価格で、ドリップとは全く違う濃厚なコーヒー体験ができるのは大きな魅力です。アウトドアでも使えるため、キャンプで濃いコーヒーを楽しみたい人にも強くおすすめします。

豆の挽き目も重要!「極細挽き」と「中細挽き」を使い分ける

最後に、器具だけでなく「豆の挽き方(粒度)」の違いについても触れておきましょう。抽出方法に合わせて挽き目を変えなければ、器具の性能を発揮できません。

エスプレッソは短時間で成分を搾り出すため、小麦粉のように細かい「極細挽き」にする必要があります。一方、ドリップは時間をかけてお湯を通すため、グラニュー糖くらいの「中細挽き」が適しています。もしドリップ用の粉でエスプレッソを淹れると、スカスカで薄い味になってしまいますし、逆にエスプレッソ用の粉でドリップすると、お湯が落ちてこず、渋みばかりが出てしまいます。

詳しい挽き目の目安や違いについては、以下の記事で詳しく解説しています。ご自身のミルで調整する際の参考にしてください。

▶【関連記事】コーヒー 挽き目 種類 目安 完全ガイド!5つの粗さと味の違いを徹底解説

【総括】エスプレッソとドリップの違いを理解してコーヒーライフを楽しもう

エスプレッソは「圧力」の料理、ドリップは「重力」のスープ

  • エスプレッソとドリップの最大の違いは「9気圧」という圧力の有無
  • 濃厚なコクと油分を楽しむならエスプレッソ、クリアな風味ならドリップ
  • カフェイン量は抽出時間が長いドリップの方が多い傾向にある
  • カフェラテはエスプレッソベース、カフェオレはドリップベース
  • 自宅で再現するならデロンギの「スティローザ」や直火式「マキネッタ」がおすすめ

この違いを知っているだけで、カフェでのオーダーも、自宅での器具選びも、これまでよりずっと深いものになるはずです。ぜひ、その日の気分に合わせて、最適な一杯を選んでみてください。

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