


- 正常な音:豆を挽く「ガリガリ音」、圧力をかける「ウーッ」というポンプ音は正常な動作音です。
- 防音対策のコツ:問題なのは音より「振動」です。マシンの足に「耐震ジェルマット」などを敷くことで劇的に響きを軽減できます。
- 異常な音(異音):「ギシギシ」「ガガガ」という音は、抽出ユニットのグリス(潤滑油)切れのサインです。
- ポンプの故障?:大きな音がするのにお湯が出ない場合は、空気が入っている(空気抜きが必要)か、石灰詰まりの可能性があります。
- 結論:防振対策と定期的なグリスアップで、マンションでも安心して快適なコーヒーライフが送れますよ。

【Project 369】
これってうるさい? 「正常な動作音」の正体
まず大前提として、マグニフィカSをはじめとする全自動エスプレッソマシンは、ボタン一つで本格的なコーヒーを淹れるために、内部で力強い物理的な作業を行っています。
そのため、以下の2つの音はマシンの構造上、どうしても発生してしまう「正常な音」です。
1. 硬い豆を砕くグラインダーの「ガリガリ音」
抽出ボタンを押して一番最初に鳴るのが、ホッパー内のコーヒー豆を金属製の刃で粉砕するグラインダーの音です。
硬い豆を高速で削るため、掃除機やジューサーミキサーと同程度の「ガァーッ」「ガリガリッ」という甲高い音が約5〜10秒間響きます。初めて聞くと少し驚くかもしれませんが、挽きたての新鮮な香りを引き出すための頼もしい音でもあります。
2. 9気圧をかけるバイブレーションポンプの「ウーッ音」
豆を挽き終わった後、エスプレッソを抽出するために内部のポンプがお湯を押し出します。
この時、専門店と同じ9気圧という強い圧力を生み出すために「バイブレーションポンプ」という部品が高速で振動し、「ウーッ」「ブーン」という低音のうなり声を出します。
これもマシンが一生懸命に美味しいエキスを絞り出している証拠ですので、安心してくださいね。
マンションで響かせない! 効果絶大な「防振対策」
「正常な音だとわかっていても、やっぱり隣や下の階に迷惑にならないか心配…」
そうお悩みの方に、プロが実践している最も効果的な対策をお伝えします。実は、集合住宅で問題になりやすいのは、空気を伝わる音よりも、床や壁を伝わる「振動(固体音)」なのです。
100円ショップの「耐震ジェルマット」を足に敷く
グラインダーの回転やポンプの振動は、マシンが置かれているキッチンカウンターやテーブルに直接伝わり、それがスピーカーのように増幅されて壁や床に響いてしまいます。
これを防ぐ一番手軽で効果絶大な方法が、マシンの4つの足の下に「耐震ジェルマット(地震対策用の透明なプニプニしたマット)」を敷くことです。
100円ショップで売っているもので十分です。このジェルがマシンの振動を見事に吸収してくれるため、下への響きが劇的に軽減されます。「ウーッ」という低音が驚くほどマイルドになりますよ。
壁から少し離して設置する
もう一つのコツは、マシンの背面や側面を「壁にピッタリとくっつけない」ことです。
壁に直接触れていると、マシンの振動がダイレクトに壁に伝わり、隣の部屋に響きやすくなります。最低でも数センチの隙間を空けて設置するように心がけてみてください。
「ギシギシ」「ガガガ」…異常な音(異音)がする時の直し方
いつもと違う、明らかに機械が苦しんでいるような異音が鳴り始めた場合は、マシンの内部で物理的なSOSサインが出ている証拠です。
抽出時の「ギシギシ音」はグリス切れ
抽出の前後で、マシンの中から「ギシギシ」「キュッキュッ」といったプラスチックがこすれ合うような音が聞こえる場合、それはマシンの心臓部である「抽出ユニット」のグリス(潤滑油)が乾いてしまっているサインです。
抽出ユニットは強い圧力を受け止めながらレールを上下に動くため、定期的に食品機械用のシリコングリスを塗って滑りを良くしてあげる必要があります。これを放置するとモーターに負担がかかり、本当に故障してしまいますので、早めにグリスアップを行ってあげてください。
抽出ユニットの正しい洗い方と、グリスを塗るポイントについては以下の記事で詳しく解説しています。
✅ マグニフィカSの抽出ユニットの正しい分解清掃・グリースアップ手順
空回りする「ウィーン」という高い音
豆を挽くガリガリ音がせず、モーターだけが「ウィーン」と虚しく回っている場合は、深煎り豆の油分などで豆がホッパーの壁に張り付き、刃に落ちていっていない(空回りしている)状態です。
動作中にスプーンの柄で優しく豆を奥に押し込んであげると、すぐに直りますよ。
ポンプの故障? 大きな音がしてお湯が出ない場合
「ブォーッ!」といつもよりかなり大きなポンプ音が鳴り続けているのに、コーヒー(お湯)が一滴も出てこない場合、それはポンプの故障ではなく、以下の2つのケースがほとんどです。
- ポンプの空気噛み:水タンクが空のまま抽出してしまい、内部に空気が入ってポンプが「空打ち」している状態です。水タンクを満水にし、スチームダイヤルを開いてお湯(空気)を出してあげれば解決します。
- 石灰による目詰まり:内部の管が水垢(石灰)で詰まってしまい、お湯が通れなくなっている状態です。純正の除石灰剤を使って、しっかりと石灰除去プログラムを行ってください。
これらの対策を行っても全くお湯が出ない、あるいは水漏れを伴う異音がする場合は、内部のポンプそのものが寿命を迎えている可能性があります。
ご自身でのポンプ交換は分解が必要となり、大変危険ですので、迷わずデロンギのカスタマーサポート(修理窓口)へ連絡してくださいね。
まとめ:防振対策と愛情メンテナンスで、快適な朝を
全自動エスプレッソマシンが発する動作音は、美味しいコーヒーを淹れるために一生懸命働いている頼もしい音です。
マンションでの音が気になる場合は、マシンの足に耐震ジェルマットを敷いて、振動(固体音)をシャットアウトする物理的な対策を試してみてください。
そして、「ギシギシ」という異音が聞こえたら、それはマシンからの愛情不足のサインです。月に1回は心臓部を洗ってグリスを塗り、長く大切に付き合っていってくださいね。
- 100円ショップで「耐震ジェルマット」を買い、マシンの4つの足に敷く
- 壁から数センチ離して設置し、振動が直接伝わらないようにする
- 抽出時に「ギシギシ」鳴る場合は、抽出ユニットのグリスアップを行う
