


- ポタポタ落ちる原因:豆の挽き目(グラインダー)が「細かすぎる」ため、お湯が粉の隙間を通れていません。
- すぐできる解決策:豆を挽いている(ガリガリと音がしている)最中に、グラインダーのダイヤルを「粗く(数字を大きく)」回します。
- 全く出ない原因①:水タンクが空になり、ポンプに「空気」が入ってしまった(空気抜きが必要です)。
- 全く出ない原因②:長年使用している場合、内部の管が「石灰(水垢)」で完全に詰まっている可能性があります。
- 結論:まずは挽き目ダイヤルを「粗く」するだけで、9割のポタポタ問題はスムーズに解決します。

【Project 369】
なぜポタポタしか落ちない? 抽出量が少ない「物理的な理由」
設定した量のお湯が出てこず、ポタポタと数滴しか落ちてこない。この現象の裏には、エスプレッソ抽出における「水と粉の物理的な戦い」が隠されています。
挽き目が「細かすぎる」とお湯が通れない(チョーキング)
マグニフィカSの心臓部(抽出ユニット)では、挽かれたコーヒーの粉がギュッと円柱状に圧縮され、そこに9気圧という非常に強い圧力でお湯を押し込んでいます。
もし、豆の挽き目が「細かすぎる(小麦粉のようにサラサラすぎる)」設定になっていた場合、圧縮された粉と粉の隙間が全くなくなってしまいます。
すると、9気圧のポンプがどれだけ一生懸命にお湯を押し込もうとしても、コンクリートの壁のようにお湯が弾き返され、物理的に通り抜けることができなくなってしまうのです。これをコーヒーの専門用語で「チョーキング(目詰まり)」と呼びます。
ポンプから聞こえる「ウーッ」という音は、壊れかけているのではなく、「壁が固すぎてお湯が押し込めないよ!」とマシンが頑張っている音なのです。
抽出ユニットの「ステンレス網」が目詰まりしている
もう一つの原因として、抽出ユニットにある「ステンレス製の丸いフィルター(お湯が通る網)」が、古いコーヒーの油分や極細の粉で目詰まりを起こしている可能性があります。
これも同様に、出口が塞がれているためにお湯がポタポタとしか出られなくなってしまいます。
【解決策1】グラインダー(挽き目)ダイヤルを粗くする
ポタポタ現象の9割は、このダイヤル調整だけであっという間に解決します。以下の手順で、お湯の通り道を作ってあげましょう。
「数字を大きく」して粉の粒を粗くする
豆を入れる透明なホッパーの中にある「グラインダー調整ダイヤル」を確認してください。
現在、数字の「1」や「2」といった非常に細かい設定になっていませんか? これを「3」や「4」など、数字が大きい方向(粗挽き方向)へ回すことで、粉と粉の間に隙間ができ、スムーズにお湯が流れるようになります。
【重要】必ず「豆を挽いている最中」に回すこと!
ここで、マグニフィカSを扱う上で絶対に守らなければならない鉄則を再度お伝えします。
グラインダーのダイヤルは、「必ず、抽出ボタンを押して『ガリガリ』と豆を挽いている動作中」に回してください。
マシンが止まっている時に無理に回すと、刃の間に挟まっている硬いコーヒー豆が邪魔をして、内部のプラスチックギアがバキッと折れて故障してしまいます。
動作中にカチッと1目盛りだけ粗く(数字を大きく)し、まだポタポタするようなら、次の抽出の時にもう1目盛り粗くする。これを繰り返して、スーッときれいな線になってお湯が落ちてくる「黄金の挽き目」を見つけてくださいね。
【解決策2】全くお湯が出ない・異音がする時の対処法
「ダイヤルを一番粗くしたのに、一滴もお湯が出ない」「最初からものすごい大きな異音がする」という場合は、挽き目以外の物理的なトラブルが起きています。
ポンプに「空気」が入ってしまった(空気抜き)
水タンクの水が完全に空っぽのまま抽出ボタンを押してしまった後などに起こる現象です。
内部の管の中に空気が入り込んでしまい、ポンプが「空回り(空打ち)」をしている状態です。
この場合は、水タンクを満水にしてセットし、スチームノズルの下にカップを置いて「スチームダイヤル」を左に回して開いてください。
すると、ノズルから「ブシュッ」と空気と一緒にお湯が吐き出されます。お湯がスムーズに出るようになったらダイヤルを閉じれば、ポンプの空気抜きは完了です。これで再び正常に抽出ができるようになります。
長年の蓄積による「石灰(カルキ)詰まり」
何年もマグニフィカSを愛用していて、「除石灰ランプ(赤い点滅)」を無視して使い続けてしまった場合、内部の極細のチューブが石灰(カルシウムの塊)で完全に塞がってしまっている危険性があります。
人間の血管が詰まるのと同じで、お湯が通る道が物理的に塞がれているため、全くお湯が出なくなります。
心当たりがある方は、すぐにデロンギ純正の「除石灰剤」を使用して、内部の洗浄(石灰除去プログラム)を行ってください。
まとめ:ポタポタは「豆の挽き目」を粗くするだけで解決します
コーヒーがポタポタとしか落ちない現象は、マシンのポンプが壊れたわけではなく、「細かすぎる粉の壁」にお湯が阻まれているチョーキングという正常な物理現象です。
慌てて修理に出す前に、まずは「抽出中にダイヤルを粗く(数字を大きく)する」という一番簡単な解決策を試してみてください。スーッときれいな線を描いてエスプレッソが落ちてくるようになったら、また極上の香りが部屋中に広がりますよ。
- 抽出ボタンを押し、ミルが「ガリガリ」と動いている最中にダイヤルを「1目盛り」粗くする
- 変化は1〜2杯後に出るため、ポタポタが解消されるまで調整を繰り返す
- 全くお湯が出ない場合は、スチームノズルを開いて「空気抜き」を行う
