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マグニフィカSの抽出ユニットの正しい分解清掃・グリース(グリス)アップ手順

Emi
Emi
「マグニフィカSの説明書に『月に1回は抽出ユニットを水洗いしてください』って書いてあるんだけど、機械の心臓部みたいで壊しちゃいそうで怖いな…。」

Ryu
Ryu
「それに、動きが悪くなったら『グリス(潤滑油)』を塗るって聞いたこともあるけど、素人でもできるのかな?お手入れで失敗したくないよ。」
baristaK
baristaK
「マシンの心臓部を取り外すのですから、最初は緊張して当然です。ですが、ご安心ください。デロンギの抽出ユニットは、誰でも安全に着脱できるように素晴らしい物理設計がなされています。ただし、『絶対にやってはいけない洗い方のタブー』が一つだけ存在します。プロの視点から、マシンを長持ちさせる正しい洗浄手順と、滑らかな動きを取り戻すグリスアップのコツを優しく解説しますね。」

💡 【3秒でわかる】抽出ユニットの正しい掃除とグリスアップ

  • 絶対のタブー:「食器用洗剤」は絶対に使わないでください。水洗い(またはぬるま湯)が鉄則です。
  • 洗剤がNGな理由:動きを滑らかにしている「食品用のグリス(潤滑油)」まで洗い流してしまい、故障の原因になるためです。
  • 正しい洗い方:ボウルに張ったぬるま湯の中で、シャバシャバと振り洗いをするだけで十分綺麗になります。
  • グリスアップの目安:「ギシギシと異音がする」「動きが重い」と感じたら、赤いOリング(ゴム)と側面のレールに食品用グリスを塗ります。
  • 結論:月に1回の水洗いだけで、マシンの寿命とコーヒーの味は劇的に向上します。

マグニフィカSの部品洗浄に関するインフォグラフィック
【Project 369】

 

抽出ユニット(心臓部)の正しい取り外しと水洗い手順

マグニフィカSで毎日美味しいコーヒーを淹れていると、抽出ユニットの内部にはコーヒーの細かい粉と、豆から出た油分が少しずつ蓄積していきます。これを放置すると、酸化した油の匂いが新しいコーヒーに移ってしまうため、月に1回程度のリフレッシュが必要です。

ステップ1:必ず「電源を切ってから」取り外す

まず、前面の電源ボタンを押してマシンをオフにします。自動洗浄(お湯が出る動作)が終わり、完全にランプが消えたことを確認してから、背面の主電源スイッチもオフにしてください。
電源が入ったまま、あるいは抽出の途中で無理やり扉を開けようとすると、ユニットが正しい位置(取り外せる定位置)に戻っておらず、破損の原因になります。

ステップ2:赤いボタンをつまんで引き出す

本体右側の水タンクを外し、その奥にある扉を開けます。
中央に鎮座しているのが「抽出ユニット」です。ユニットの左右にある「赤いボタン」を親指と人差し指で同時にギュッとつまみながら、手前へ真っ直ぐ引き出します。力を入れなくても、スッと簡単に抜けるはずですよ。

ステップ3:洗剤は厳禁!ぬるま湯で「振り洗い」をする

取り出したユニットを洗面所やシンクへ持っていきます。
ここで最大の注意点ですが、絶対に「食器用の中性洗剤」や「スポンジ」を使ってゴシゴシ洗わないでください。

大きめのボウルや洗面器にぬるま湯を張り、その中にユニットをドボンと沈め、お湯の中で「シャバシャバ」と上下左右に振って洗います。これだけで、内部に詰まっていたコーヒーの粉が面白いようにパラパラと落ちていきます。
頑固な粉がついている場合は、柔らかい筆やブラシで優しく撫でる程度にとどめておきましょう。

ステップ4:完全に自然乾燥させてから戻す

洗い終わったら、タオルで軽く水気を拭き取り、風通しの良い場所でしっかりと自然乾燥させます。
内部に水滴が残ったままマシンに戻してしまうと、次に挽いた乾いたコーヒー粉が水滴に張り付いてしまい、泥のように詰まる原因になってしまいます。できれば一晩しっかり乾かすのが理想的です。

なぜ洗剤はNG? 内部の「グリス(潤滑油)」の役割

「油汚れなんだから、洗剤で綺麗にキュッキュと洗ったほうがいいのでは?」
そう思われるかもしれませんが、抽出ユニットにとって「キュッキュ」と鳴る状態は、物理的に最も危険な状態なのです。

抽出ユニットは、コーヒー粉を強く押し固めるために、内部のパーツがレールに沿って上下に激しく動く構造になっています。
この動きをスムーズにするため、工場出荷時の段階から、レール部分や圧力の密閉を防ぐ「赤いOリング(ゴムパッキン)」の周りには「食品機械用の専用グリス(潤滑油)」がたっぷりと塗られています。

もし洗剤で洗ってしまうと、この大切なグリスまで完全に洗い流されてしまいます。グリスがなくなると、プラスチック同士が直接激しくこすれ合い、「ギシギシ」「ガガガ」という異音が発生し、最悪の場合はモーターに負荷がかかってマシンが故障してしまうのです。だからこそ、「水洗い」が絶対の鉄則なのですね。

動きが悪い・異音がする時の「グリスアップ」手順

とはいえ、水洗いだけで大切に使っていても、数ヶ月〜1年ほど経過すると、お湯の熱などによって徐々にグリスは流れ落ちていきます。
「最近、抽出する時のギシギシ音が大きくなった気がする」「ユニットを手で動かそうとしても重くて固い」と感じたら、それはマシンからの「潤滑油が足りないよ」というSOSのサインです。ご自身で簡単な「グリスアップ」を行ってあげましょう。

用意するもの:絶対に「食品機械用グリス」を使うこと

グリスアップを行う際、ホームセンターなどで売られている機械用のスプレーオイル(CRC 5-56など)は絶対に使用してはいけません。コーヒーに混入すると人体に有害ですし、ゴム部品を溶かしてしまいます。

必ず、口に入っても安全な「食品機械用シリコングリス(OKS 1110など)」、またはデロンギ公式のメンテナンス用グリスを用意してください。ネット通販で数百円〜千円程度で購入できます。

グリスを塗る「2つの重要ポイント」

ユニットが完全に乾燥した状態で、以下のポイントに綿棒などを使って少量のグリスを塗布します。

  1. 赤いOリング(ゴムパッキン)の周囲:
    粉を押し固める円筒状の部品の周りについている、赤いゴムのリングです。このゴムの表面に薄くグリスを一周なじませることで、密閉性が高まり、スムーズに上下するようになります。
  2. 側面の可動レール(溝)部分:
    ユニットの側面にある、パーツが上下にスライドする溝の部分です。ここにも綿棒で薄くグリスを塗り広げます。

塗り終わったら、手でユニットの可動部を何度か上下に動かし、グリスを全体に馴染ませてください。見違えるようにスルッと滑らかに動くようになり、マシンの異音も魔法のように消え去りますよ。

【トラブル】洗浄後、ユニットがマシンに戻らない時は?

最後に、お手入れ後によくあるトラブルの解決法をお伝えしておきます。
「洗ったユニットをマシンに押し込もうとしたら、奥で何かに引っかかってカチッとハマらない!」というケースです。

これは、ユニットを洗っている最中に手で可動部を動かしてしまい、マシン側のギアの角度と、ユニット側の角度がズレてしまっていることが原因です。
無理に力任せに押し込もうとすると部品が折れてしまいます。以下の手順でマシン側を「リセット」してください。

  1. ユニットは一旦外に出したまま、マシンの右側の扉をカチッと閉めます。
  2. カス受けトレイも所定の位置に戻します。
  3. コンセントを繋ぎ、前面の電源ボタンを「オン」にします。
  4. すると、マシンの中で「ウィーン、ガシャッ」とモーターが動き、ギアが正しい定位置に自動でリセットされます。
  5. 動作音が止まったら電源を切り、再度扉を開けてユニットを挿入してみてください。今度はスムーズにカチッとハマるはずです。
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まとめ:機械の悲鳴(異音)に気づけるのは、あなただけです

マシンの心臓部である抽出ユニットのお手入れは、「洗剤を使わずに、ぬるま湯で振り洗いをする」というシンプルなルールさえ守れば、決して難しいものではありません。

「ギシギシ」という機械の悲鳴に気づいてグリスを塗ってあげられるのは、毎日マシンを使っているあなただけです。月に1回の愛情あるメンテナンスで、マグニフィカSは長きにわたって、あなたに極上の一杯を淹れ続けてくれますよ。

✅ 今日のアクションプラン

  1. 月に1回、電源を完全に切ってから抽出ユニットを引き出す
  2. 洗剤は使わず、ぬるま湯のボウルの中で「振り洗い」をする
  3. 異音がする場合は「食品機械用シリコングリス」をOリングとレールに塗布する

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